リニア差し止め求め提訴 流域住民ら107人「自然に影響」

2020年10月30日 16時00分 (10月30日 16時01分更新)
リニア中央新幹線工事の差し止めを求め提訴に向かう原告団=30日午前、静岡市葵区の静岡地裁前で(斉藤直純撮影)

リニア中央新幹線工事の差し止めを求め提訴に向かう原告団=30日午前、静岡市葵区の静岡地裁前で(斉藤直純撮影)

  • リニア中央新幹線工事の差し止めを求め提訴に向かう原告団=30日午前、静岡市葵区の静岡地裁前で(斉藤直純撮影)

 リニア中央新幹線南アルプストンネル工事を巡り、市民団体「静岡県リニア工事差止(さしとめ)訴訟の会」は三十日、大井川流域の水や自然環境に影響が及ぶとして、JR東海に対し、県内区間(静岡市葵区、一〇・七キロ)の工事の差し止めを求め、静岡地裁に提訴した。 (五十幡将之)
 原告は、流域住民や県内外の弁護士ら百七人。訴状によると、工事によって大井川水系の水資源に影響が出た場合、流域の住民が平穏に暮らす権利を侵害されるほか、世界に認められている南アの自然環境が不可逆的に阻害されると指摘。環境影響評価の不十分さや、トンネル掘削によって発生する残土の扱いへの疑義も投げかけている。
 提訴後の会見で弁護団事務局長の西ケ谷知成弁護士は「大井川は流域住民にとって命の水。そもそも中央新幹線が必要なのか。国でも工事を巡る協議が続いているが、静岡の問題をどう考えるのか、裁判の場で議論したい」と話した。
 原告団共同代表で大井川流域農家の桜井和好さん(70)=島田市=は「中下流で水が減っても工事の影響か証明は難しい。JRは水を補償するというが、本当の補償はできず、不安が払拭(ふっしょく)できない」と話した。
 提訴を受け、JR東海は「そのような報道があったことは承知している。訴状が届いたら内容を確認の上、適切に対応してまいりたい」とコメントした。
 県内区間のうち静岡工区と呼ばれる八・九キロについて、工事によって大井川の水量や地下水、南アの自然環境などに影響が出る恐れがあるとして静岡県の川勝平太知事が着工を認めていない。現在、国土交通省の有識者会議がどんな影響が出るのか議論している。
 リニア工事を巡っては、品川−名古屋間沿線の一都六県の住民らが工事実施計画の認可を取り消すよう国に求めて、東京地裁で争っている。

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