福井工大チーム優秀賞  国立開発法人 社会課題取り組み表彰  

2020年10月30日 05時00分 (10月30日 09時37分更新)
「STI for SDGs」アワードを受賞した「しまあめラボ」の笠井教授(右)と近藤講師=福井市の福井工業大で 

「STI for SDGs」アワードを受賞した「しまあめラボ」の笠井教授(右)と近藤講師=福井市の福井工業大で 

  • 「STI for SDGs」アワードを受賞した「しまあめラボ」の笠井教授(右)と近藤講師=福井市の福井工業大で 
  • 大型雨水タンクを設置し、作業を進める「しまあめラボ」のメンバーら=長崎県五島市の赤島で(福井工業大提供)

 雨水活用 SDGsに貢献

 福井工業大環境情報学部の笠井利浩教授と近藤晶講師らによる研究チーム「しまあめラボ」が、国立開発法人科学技術振興機構(JST)が主催する「STI for SDGs」アワードの優秀賞を受賞した。
 同アワードは、JSTが科学、技術、イノベーションを用いて社会課題を解決する地域における優れた取り組みを表彰する制度。
 「しまあめラボ」は二〇一七年から、長崎県五島市の離島である赤島で、雨水活用のシステム開発や雨水活用の普及を目的とした情報発信、地域振興などに取り組んでいる。こうした取り組みがSDGs(持続可能な開発目標)の「安全な水とトイレを世界中に」「産業と技術革新の基盤をつくろう」など四項目の達成に貢献するとして高く評価された。
 赤島は人口十四人の小さな島で、生活用水を雨水に依存している。調査で島民からは水質を心配する声が多く聞かれたことから、笠井教授らは雨水活用のシステムを設計。基礎工事や資材の運搬など人力だけで作業を進め、三年がかりで整備した。雨をタンクにためてろ過する仕組みで、以前よりも安心・安全な水が供給できるようになった。
 雨水活用の普及では、デザイン学科の近藤講師が主に担当し、ホームページの作成や会員制交流サイト(SNS)での情報発信に取り組んでいる。また、三年間の活動を撮影した動画や写真を基にしたドキュメンタリー映画も製作し、発表している。
 物やサービスであふれる大都市圏などとは対照的な赤島での生活を通して、持続可能な社会や環境問題について考えてもらおうと「雨水生活体験」も開催。子どもたちが島の伝統的な生活を体験し、節水の知恵などを学んだ。
 笠井教授は「雨水活用システムの安定的な運用や赤島の無人島化防止などまだまだ目標を達成し切れていない」とし、「今回の賞を糧に活動をさらに発展させて、次は一番上の賞を目指す」と意欲を燃やす。近藤講師も「映像でも賞を取りたい」と意気込み、「賞を取ることで活動の内容や島の人たちの暮らしについて、もっとたくさんの人に知ってもらえると思う」と話す。
 「STI for SDGs」アワードは今年が二回目。今回は三十五件の応募があり、しまあめラボを含め四団体が受賞した。 (堂下佳鈴)

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