スズキ世界生産34%減 四輪上半期

2020年10月30日 05時00分 (10月30日 05時02分更新)
 スズキが二十九日発表した二〇二〇年度上半期(四〜九月)の四輪車の世界生産は、前年同期比34・1%減の九十六万三千二百六十九台で、上半期としては〇四年度以来十六年ぶりに百万台を割り込んだ。新型コロナウイルス感染拡大に伴うインドなど主要拠点の工場の操業停止が響いた。
 海外生産は45・4%減の五十五万五千三百七十六台、うちインドは42・8%減の四十五万五百九十八台だった。ロックダウン(都市封鎖)で三月下旬から五月中旬まで全三工場を閉鎖。再開後も通常の体制に戻すまで時間がかかった。最も長期間の操業停止を強いられたパキスタンは72・3%減の一万四千百九十九台と大きく落ち込んだ。
 国内生産は8・2%減の四十万七千八百九十三台。海外からの部品の納入が滞り、四〜五月に工場の操業を断続的に止めた影響を受けたが、他の拠点に比べ落ち込みは少なかった。
 世界販売は31・4%減の九十六万五千五百十三台、国内販売は15・3%減の二十八万一千八百九十七台。ともに二年連続で前年を下回った。
 同時に発表した九月の世界生産は、前年同月比19・1%増の二十九万三千百九十五台で二カ月連続の前年超え。生産が正常化したインドやハンガリーがけん引し、海外生産が九カ月ぶりに増加に転じた。世界販売は17・1%増の二十八万四百七十五台。海外、国内ともに前年を上回った。 (鈴木啓紀)

◆回復、まだら模様

 上半期(四〜九月)としては十六年ぶりに百万台を割り込んだスズキの四輪車生産は、世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響をもろに受けた。足元では合わせて世界生産の八割超を占めるインドと国内が前年を上回る水準に回復し、全体を押し上げるが、インドネシアやパキスタンでは工場の稼働率が上がらず低迷が続く。欧州をはじめ各地域で感染再拡大の懸念もあり、視界はなかなか晴れない。 (鈴木啓紀)
 インドでは当局による都市封鎖や外出禁止措置のため、全三工場が三月下旬から五月まで操業停止を強いられ、四月の生産はゼロ。五、六月もそれぞれ前年比97・5%減、54・6%減と低空飛行が続いた。
 六月下旬から八月中旬までに各工場が通常の二交代制勤務を再開。市中の在庫不足を補うために生産を続けた結果、八月は八カ月ぶりに前年を上回った。十月中旬から始まるヒンズー教の祭事に伴う商戦に向け、九月はさらに増産態勢を強化したという。
 国内も、部品の供給が不安定になり断続的に工場の操業を止めた四、五月こそ前年比五〜六割減と落ち込んだが、六月以降は前年の水準を上回る。前年は完成検査の徹底に伴い生産を抑えていた事情もあるが、広報担当者は「緊急事態宣言で外出控えが続き、反動で販売が増えた」と説明。鈴木修会長も「国内は安泰」と明るい見通しを描く。
 一方、生産の正常化が遅れているのが、新型コロナの感染者数が四十万人超と東南アジアで最多のインドネシアだ。二月までは新型車の効果で好調だったが、四月以降は外出禁止措置などの影響で低迷。九月も前年比三割減で、反政府デモが続くタイとともに落ち込んだ。いずれも二交代制勤務を再開するめどは立っていない。
 生産が回復基調のインドも感染者数が八百万人を超え、欧州ではフランスが三十日から二度目の都市封鎖の実施を発表。止まらぬ感染拡大に、鈴木会長は「一寸先は闇だ」と繰り返し楽観を戒める。

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