湖西市内で豚熱感染のイノシシ発見 養豚農家ら危機感強める

2020年10月30日 05時00分 (10月30日 05時03分更新)
防護柵で囲われた養豚場=湖西市で

防護柵で囲われた養豚場=湖西市で

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 豚の飼育頭数が県内一の湖西市で二十七日に豚熱(CSF)に感染した野生イノシシが発見されたのを受け、市内の養豚農家や市の関係部局は危機感を強めている。県西部家畜保健衛生所の聞き取りでは、発見場所から半径十キロ以内の養豚場で異常が見られた豚はいなかったが、「周りのイノシシ数頭が感染していると考えるのが普通」と不安がる養豚農家もいる。 (鈴木太郎)
 県などによると、感染したイノシシは二十二日、同市利木で有害鳥獣として捕獲され、五日後の検査で市内で初めて陽性が判明した。同衛生所は発見現場から半径十キロ以内にある浜松市と湖西市の計十八農場に異常のある豚がいないか確認し、感染防止対策を取るよう要請した。
 昨年十月十八日に藤枝市で県内初の感染イノシシが確認されてから一年。二十七日までに二百五十七頭の陽性が確認され、湖西市に近い浜松市北区でも複数頭発見されたが、養豚場での豚の感染例はまだない。
 湖西市によると、市内では九軒の養豚農家が県内最多の約二万六千頭を飼育。県養豚協会長も務める中嶋克巳さん(67)=同市山口=は「市境を越え、不安が高まった」と危機感を口にする。
 市内の養豚場は、イノシシの少ない市南部の丘陵地付近に集中し、市北部の山地からは一度平地を経由する必要がある。担当者によると、東海道線以南の市運動公園周辺でイノシシが原因とみられる農作物被害が十月に報告され、「養豚場付近まで野生のイノシシが近づいている可能性はある」と指摘する。
 中嶋さんの農場では子豚を含め約五千頭を飼育する。昨秋以降、野生動物を防ぐ防護柵で豚舎を囲ったり、生まれてきた豚にワクチンを打ったりして、感染症予防に留意してきた。「備蓄の消石灰をまくなど、さらに対策しなくては」と気を引き締める。
 市は陽性イノシシ発見を受け、追加で消毒液や消石灰が必要な農場がないか確認を進めていく。中嶋さんは「イノシシへの経口ワクチン散布や有害鳥獣駆除など、感染防止には地元猟友会の協力も欠かせない。行政は猟友会が協力しやすくなる態勢づくりもしてほしい」と語った。

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