<EYES> エッセイスト 小島慶子さん 旅でひと回り成長

2020年10月29日 05時00分 (10月29日 10時24分更新)
 オーストラリアのパースでは、半袖で過ごす日も。南半球は初夏です。
 中3の次男は、学校の旅行シーズン。行き先は、西オーストラリアの世界自然遺産、ニンガルーリーフです。長さ260キロにも及ぶオーストラリア最大規模のサンゴ礁で、ジンベエザメやマンタが生息しています。パースから北に1200キロほど行った場所なので、朝6時にバスで学校を出て、着くのは夕方6時という大変な長旅。シュノーケリングなどで海を満喫する5日間です。今から出かけるのを楽しみにしています。
 「かわいい子には旅をさせよ」と言いますが、確かに旅は子供を成長させます。昨年秋には当時高2の長男が、ボランティア活動を兼ねた3週間の海外旅行に出かけました。非営利組織が主催するプログラムで、アジアなどの途上国で国連が主導する人道支援活動に参加するのです。
 行き先はタイとラオス。山中の少数民族の村に泊まって浄化槽の設置工事を手伝い、メコン川を船で移動したり、トレッキングで山を越えたり。世界遺産の古都、ルアンプラバン郡や、エコツーリズムで人気の街、バンビエンにも宿泊しました。
 子供たちは班ごとに分かれ、話し合って移動方法や食事の場所を決めます。もちろん熟練したガイドは同行していますが、基本的には手伝いません。英語がほとんど通じない国で、子どもたちは知恵を絞ります。その間、スマートフォンは一切なし。検索もできません。
 3週間も連絡が取れないのですから、親もつい心配になってしまいます。でも、帰国した息子は、明らかにひと回り成長し、自信と落ち着きを身につけていました。わが子を守るだけでなく、信じて手を離すことも親の仕事なのですね。

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