コロナの怖さ再認識したトニー・フィナウの体験談【武川玲子コラム】

2020年10月28日 12時16分

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トニー・フィナウ(AP)

トニー・フィナウ(AP)

  • トニー・フィナウ(AP)
◇武川玲子コラム「ゴルフ米ツアー見聞録」
 今年は米国開催となったZOZOチャンピオンシップの2日目。プレーを終えたトニー・フィナウ(米国)が地元の記者たちに囲まれていた。2週前、ラスベガス大会の新型コロナウイルス検査で「陽性」となり欠場。10日間の隔離を挟んでツアー復帰したばかりにもかかわらず、この日は64で回る好プレー。ゴルフから離れていた時間を感じさせなかった。ところが、語ったのは新型コロナ感染の恐怖体験だった。
 「このウイルスで亡くなる人がいることがよく分かった」
 最初は自宅のあるユタ州で「風邪のような症状だった」と言う。ラスベガスへ車で移動した後に陽性が判明した。感染経路は不明で、現地のアパートで隔離生活を送った。
 「最初の5日間は最悪。ものすごい頭痛と全身の筋肉痛。何もすることができなかった」と振り返る。フィナウは31歳。「自分はアスリートで基礎疾患もない。かかっても重篤にはならないと思っていた」。しかし実際は倦怠(けんたい)感、味覚喪失に襲われた。「まだ完全には戻っていない。このウイルスは相当長く残る」
 ここまで5回受けた検査は全て陽性判定。米国疾病対策センター(CDC)の基準では、発症から10日が過ぎて発熱、せきなどの目立った症状がなければ「他人への感染リスクなし」として、職場復帰が認められる。フィナウもこの基準に沿って、ツアーに戻ってきた。
 最終成績は11位とまずまずの復帰戦。2週後のマスターズに向けて「とにかくできる限りの健康を取り戻したい」と表情は明るい。回復して何よりだと思うが、トップアスリートにしてもこの重症度。決して気を抜いてはならない病と再認識する貴重な体験談を話してくれた。
(全米ゴルフ記者協会会員)

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