ドリル(15)パッティングの一番大事な要素がつかめます
2019年7月18日 02時00分
今週からはパッティングが上達するためのドリルです。ショットも大切ですが、スコアメークに欠かせないのはアプローチとパッティング。特にパッティングはゴルフの「命」と言われるほどの欠かせない要素です。 (取材、構成 児玉光雄)
スコア直結するパット
「時は金なり」なんてことわざがありますが、プロの世界では「パットは金なり」と言っても過言ではありません。
どんなにショットがよくても、確実に1パットで入れなければスコアは伸びません。また、1メートルほどのパットを外すと精神的なダメージを引きずることがあります。せっかくのナイスショットが逆効果になるのです。
逆に、長いパットが入ると、なぜかスイングにも好影響を与えてくれます。みなさんも、そんな経験をしたことはありませんか。
上手な方は、ここぞというパットは一生懸命入れにいきます。なぜなら、ゴルフの流れを知っているからです。1個のパットを入れることで、その後のプレーに良い影響が出ることをご存じだからです。
一流プロの証明はパットのうまさだと思ってください。でないと、上位に来ることはできないからです。
ストロークの幅が基本
前置きが長くなりましたが、ドリルに入りましょうか。パッティングで一番大事なことは「距離感」です。1パット目を大オーバーしたり、大ショートして行ったり来たりしていてはスコアになりません。3パットを連発していたのでは、いくらショットがよくてもスコアにはなりません。
狙った方向に打つことも大事ですが、まず、その距離が合わせられることが大事です。パッティングのやり方は人それぞれですが、基本的に手首でパチン、パチンとショットのような感覚で球をはじいていては、距離感は合いません。
感覚で合わせられる人もいるでしょうが、基本的にはストロークの幅で合わせます。ここで、ドリルを紹介します。写真のように、粘着テープでパターのグリップと左の手首を巻いて固定してください。
そうして打ってみてください。距離を合わせるのはスイング幅でも感覚でも構いません。左の手首が固定されているため、クラブと手に一体感が出て、パンチが出にくくなると思います。
自由に右手使ってOK
右手は自由に使って構いません。あとは、パターの芯でボールをヒットすることだけです。左手を固定していますから、ややもするとヒットしにくいかもしれませんが、芯で打つのは基本です。
今年の中日クラウンズで宮本勝昌プロが久しぶりに優勝しましたが、宮本プロは「中尺パターのグリップを左腕に固定するようにしたことがよかった」と話していましたね。
このドリルで練習すると、自然と距離感がつかめてきます。パッティングの練習は地味ですが、上達するには球を転がして感覚を身に付けるしかありません。
【かすみのひとりごと】
「ウサギとカメ」なら私はカメの方
私の家のトイレには四字熟語と、ことわざのカレンダーが貼ってあります。日めくりではなく、1週間で1枚になってます。実は、先週のことわざがとても気に入ったので切り抜いてお財布に入れました。
『雨垂れ石をうがつ』
軒下から落ちるわずかな雨垂れでも、長い間落ち続ければ、硬い石にも穴を開けることができる。小さな努力でも、根気強く続ければ、最後には必ず成功するという意味だそうです。
私はこう見えて、とても不器用なんです。でも、やり始めたことはしつこくやり続けます。諦めない限り1番になれる。そう思って人生を生きてきました。
その思いは今も変わっていません。どちらかというと、私はウサギとカメのカメの方です。ひたすら何年もかけて諦めずにやり切ることが成功への道だと思ってます。
私が教えているアカデミーの子供たちにも伝わるといいなあ。あ、もちろん近道を教えてもらえれば近道もします。
<藤井かすみ(ふじい・かすみ)> 1967(昭和42)年11月30日生まれ、山口県岩国市出身の51歳。身長162センチ。ヴィクトリアゴルフ所属。学生時代はソフトボールの選手で東京女子体育短大のとき日本代表にも選ばれた。23歳からプロを目指し、3度目のプロテスト受験だった95年8月にトップ合格。2001年ベルーナレディースカップでツアー初優勝。02年には3勝を挙げ賞金ランク2位。ツアー通算10勝。師弟関係は岡本綾子。現在は兵庫県でジュニア育成に力を入れている。
取材協力 中日カントリークラブ(三重県鈴鹿市東庄内町1447)(電)059(371)1188
(毎週木曜日の紙面に掲載)
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