富山市で4万票差 支持なし層「変革」を支持

2020年10月27日 05時00分 (10月27日 09時55分更新)

◇新人大勝 得票で分析


 富山県知事選の得票率を分析すると、新田八朗氏(62)が大票田の富山市で六割近い得票率を得たことが、初当選を確実にしたことが分かる。
 全有権者数の約四割を占める富山市。得票率は、新田氏が57・4%、五選を目指した石井隆一氏(74)は37・5%で20ポイント近く差がついた。二人の票差は県全体で約六万二千七百票だが、新田氏は富山市だけで約四万票も差を広げた。
 同市は保守分裂となった今選挙の象徴。自民党県連は石井氏を推薦したが、同市を地盤とする県議十一人のうち二人が新田氏の支援に回った。自民党会派の市議十八人は半数ずつに分かれ、二人をそれぞれ応援。森雅志市長は新田氏を支持した。両陣営とも主戦場と位置付け、重点的に街頭演説や個人演説会を重ねた。その結果、富山市の投票率は58・45%と、二〇一六年の前回の知事選より27・34ポイントも高くなった。新田氏は富山県内十五市町村のうち高岡市など十市町村で、石井氏より得票率が高かった。
 富山県知事選のように、新人が変革を訴えて保守分裂選挙を制した一九年四月の福井県知事選も同じような傾向が読み取れる。
 初当選した杉本達治氏(58)は、大票田の福井市で圧勝し、勝利を確実にした。杉本氏の得票率は64・2%で、当時の現職の30・0%を34・2ポイントも上回った。福井市の投票率は58・2%で、前回の46・9%より11・3ポイントも上がった。杉本氏は県内十七市町のうち、越前町を除く十六市町で、得票率が上回った。県内全体でみると、杉本氏は59・3%、当時の現職は35・2%の得票率だった。
 東北大准教授で、金沢大非常勤講師を務める河村和徳氏(地方政治)は両県知事選の共通点について「新人が大勝したのは、支持政党がない都市部の人たちの圧倒的な支持を得たからといえる。キーワードは世代交代であり、変革だった」と指摘した。(酒井翔平、小佐野慧太)

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