組子細工でコロナ禍 打開 小松・加門建具工芸

2020年10月27日 05時00分 (10月27日 10時14分更新)
通気性のよい引き戸を考えた加門進社長。左がブラストによる加工で、右は組子細工。真ん中が組子細工をはめ込んだ引き戸=小松市八幡で

通気性のよい引き戸を考えた加門進社長。左がブラストによる加工で、右は組子細工。真ん中が組子細工をはめ込んだ引き戸=小松市八幡で

  • 通気性のよい引き戸を考えた加門進社長。左がブラストによる加工で、右は組子細工。真ん中が組子細工をはめ込んだ引き戸=小松市八幡で

通気性よい引き戸開発

 障子やふすまなどを手掛ける小松市八幡の「加門建具工芸」は、伝統的な組子細工を施した通気性のよい引き戸を開発した。住宅様式の変化で建具店や職人が減り、新型コロナウイルス禍で建築工事の中止も相次ぐ中、感染予防に必要な換気に着目し、現代風の建物にも合う建具として編み出した。加門進社長(72)は「心を豊かにする伝統技術の価値に気付いてほしい」と、苦境に“風穴”をあけようとしている。 (井上京佳)
 縦二百センチ、横八十五センチの引き戸の中心に、縦百八十センチ、横十二〜十七センチの組子細工を取り付けた。組子細工特有の隙間から通気する。板には抗菌効果のある漆や塗料を塗ってある。料金は一枚七万〜十五万円。
 くぎや接着剤を使わずに木材を組み立てる組子細工は、角麻の葉や青海波(せいがいは)などの伝統的な模様が知られている。板の木目柄や色次第では「洋風で現代的な建物に合うデザインでも作れる」と加門社長は提案する。
 注文生産のため、戸の大きさや木の種類や色、模様の組み合わせは自由自在。組子細工の他に、専用の機械で板に粒子をぶつけて模様を描く「ブラスト」の技術で家紋や桜吹雪、雪の結晶などを描くこともできる。
 加門社長は十九歳から建具職人として腕を磨き、金沢職人大学校の講師を務めた経験もある。伝統技術を後世へ残すため、二十年ほど前からはモダンな建物にも合う組子細工の照明器具や机の製作も手掛ける。
 三月には東京での工芸展示のイベントに出展予定だったが、コロナの影響で中止になった。さらに都内や岐阜県で予定していた飲食店や旅館の工事も中止や延期を余儀なくされた。引き戸は、そうした苦境の打開策として開発した。
 建物に和の技術を取り入れることで「使う人が安らぎを感じてもらえたらいい」と加門社長は語る。(問)加門建具工芸0761(47)0321

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