中日春秋

2020年10月26日 05時00分 (10月26日 05時01分更新)
 「つらい。とてもつらい。私はただ電話とメールができればいいのだ」。『桐島、部活やめるってよ』などの作家、朝井リョウさんが携帯電話をスマートフォンに機種変更した際の悪戦苦闘ぶりを書いていらっしゃった
▼お店の説明が皆目分からなかったそうだ。「知らない単語に戸惑いつづける私に向かって、お姉さんは説明をたたみかけてくる」「もう帰りたくなっていた。だってわからないのである」
▼同じような経験をした方もいらっしゃるのではないか。料金プランや機能を丁寧に説明してくれるのだが、どうも理解できない。いちいち質問するのも申し訳ないようで、適当にうなずき、わけの分からぬままに携帯電話を受け取って帰ってくる
▼携帯大手は政府の要請を踏まえて料金引き下げに取り組む姿勢を示している。国際水準より高いとされる日本の携帯電話料金が安くなるのは助かるが、複雑怪奇な料金プランやサービス内容についても、もう少し分かりやすくしていただけまいか
▼若い世代の朝井さんでさえ苦労しているのだから、IT用語とは縁遠い世代にとってはチンプンカンプンだろう。みえもあるので黙っているが、だまされていないかという気もしてくる。それは携帯会社にとっても喜ばしい話ではなかろう
▼自分の携帯はなぜか、一時期、「アニメ見放題」になっていた。どこでうなずいたんだろう。

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