若者 車への愛 再加速

2020年10月25日 05時00分 (10月25日 12時23分更新)
 「若者の車離れ」と言われて久しいが、石川県では、車好きの若者たちが集まる大規模なイベントがたびたび開催されている。同県宝達志水町のMATTI(マッティー)さん(30)が主催しており、愛車を自慢しに、あこがれのスポーツカーを見に、北陸をはじめ県外からも八百人が集まる。車にほれ込む若い世代のカーライフとは?(堀井聡子、榊原大騎)

◇「すげぇ」って言われたい


 MATTI(マッティー)さん(30) 石川県宝達志水町
 エンジンの重低音をうならせ、銀色のオープンカーに乗り、MATTIさんは颯爽(さっそう)と現れた。愛車はシボレー・コルベット。「On Fleek(オンフリーク)」という団体名で、2017年から宝達志水町でイベントを開いている。「服と同じ。昔も今も、自分が気に入っている物を『すげえ』って言われたらうれしいじゃないですか」
 カーアクション映画「ワイルド・スピード(ワイスピ)」の大ファンで、米国の撮影地を愛車で巡った。車離れを感じる一方、「流行が繰り返されるように、車っていいなって見直す同世代も出てきたと思う」。
 昨年のイベントには、フォード・マスタングやトヨタ・スープラなど約200台が展示され、映画の世界のよう。子どもの来場も歓迎している。「子どもが来たら『触らないで』ではなく、『乗ってみるか』と声を掛けられる大人になってくれって、仲間には言っている」と胸を張る。
 スポーツカーは維持費が高いなどのイメージがあるが、「最近は燃費がいい車も増え、金利も下がって手を出しやすくなった」という。「アンダーグラウンドで集まるのではなく、きちんと場所を借りるなどルールを守ってやる。正しい姿勢を僕らが示し、車好きを増やしていきたい」

◇話し掛けられ 友達増える


 白川 亮さん(30) 富山市
 高校の時に「ワイスピ」がはやって、アメ車に乗りたいと思い始めました。アメ車って単純に男らしいですよね。音とか重低音も含めて。今はダッジ・チャレンジャーとジープ・チェロキーに乗っていて、仕事用に使う2台を合わせて4台持ってます。
 もともと1人でドライブするのが好きなんですよ。こだわりある車に乗ってると、どこ行っても車好きから話し掛けられる。それで友達が増えていくのも車の良いところ。犬も3匹飼ってるので、出費はほとんど車と犬。まだ結婚してないし子どももいないからできるみたいなとこはあります。でも結婚しても車は諦めないでしょうね。貯金を諦めます。

◇正面のフォームが最高


 青山 未玖(みく)さん(18) 愛知県西尾市
 愛車は、9月に納車したばかりのスバル・BRZ、名付けてB子。この正面のフォームが大好き。もう、最高しか言えない。車好きの父に薦められた「ワイスピ」を見てはまり、好きなシーンに登場する車を選びました。本当は米国のダッジ・チャレンジャーに乗りたかったけど、親に反対されました。
 初心者マークですが、とりあえず仲間たちと走りたい。お金をためてカスタムもしたいです。

◇アメ車 インパクトある


 岡本 啓吾さん(20) 福井県坂井市
 地元だと交通手段が車しかないっていうのもあるんですけど、都会にいても車に乗ると思います。車は自分の分身で、車を知ってオーナーを知るっていうところがある。見た目は大事。
 中学生の時、映画の「トランスフォーマー」を見てアメ車いいなって思いました。音とか大きさとか、日本車にはないインパクトがある。今年3月まで親から引き継いだステップワゴンに乗ってたんですが、20歳になってフォードのマスタングをローンで買いました。コロナでしばらく遠出できなかったので、東京とか都会を走ってみたいです。

◇毎日に乗るもの こだわる


 田中 飛翼(つばさ)さん(25) 富山市
 小学生のころ、親に鈴鹿のF1に連れてってもらったのがきっかけで、スポーツカーが好きになりました。やっぱり音とか迫力が良いです。
 車は通勤も含めて毎日乗るものなのでこだわりたい。服と似たような感覚だと思います。今乗っているのはマツダのRX−8で、シンプルなボディーラインが魅力。いつかおわらサーキットで走らせてみたいです。
 最近は車を撮りたいのもあって、カメラも始めました。「MYLO(マイロ)」というハンドルネームで、SNSに写真を投稿しています。

・・・「車」離れ 男女で差・・・


 若者の車離れはどのくらい進んでいるのか。総務省の「全国消費実態調査」によると、30歳未満の単身世帯で1カ月あたりの自動車等関係費平均支出額は、男性は2004年が15000円だったのに対し、14年は7300円と半分以下に落ち込んだ。
 一方、女性は5800円から2倍以上の13000円に増加。自動車を所有する女性が増えたためとみられ、自動車普及率は男性が04年の61.4%から45.7%に減少、女性は38.4%から41%に微増しており、性差が縮まっている。
 こうした中、自動車メーカーがスポーツカーを作り続ける意義について、トヨタ自動車広報室は「軽量化など、スポーツカー開発で得られた知見を一般車にも生かせる。ほしい車も人それぞれで、ニーズに応えたい」と話している。

~ほりいの~深ぼり~


 映画ファンだからといって、全く同じモデルや色の車を買うわけではありません。皆、「自分のキャラクターに合わせて車を選んでいる」と言います。
 撮影中も、車が大好きという男の子が近寄ってきました。金沢市内を走行中も、若者から声を掛けられたそうです。「カーイベントで地方に人を呼び、地域貢献したい」という熱い思いを、私も応援しています。(堀井聡子)

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