金沢でクマ 男性重傷 石川県内、今年12人目被害

2020年10月23日 05時00分 (10月23日 10時01分更新)
男性がクマに襲われた農道を捜索する金沢市職員ら=22日午前9時19分、金沢市小池町で(寺田結撮影)

男性がクマに襲われた農道を捜索する金沢市職員ら=22日午前9時19分、金沢市小池町で(寺田結撮影)

  • 男性がクマに襲われた農道を捜索する金沢市職員ら=22日午前9時19分、金沢市小池町で(寺田結撮影)

服 引き裂かれ、血垂れ 妻「まさか」


 二十二日午前六時ごろ、金沢市小池町の農道で、近くに住む新聞配達員の男性(77)がクマに襲われた。手首の骨を折る重傷を負った。石川県内の今年のクマによる人身被害は、記録が残る二〇〇五年以降で最多の十二人となり、二番目に多い昨年の二倍に達した。
 男性は新聞配達のアルバイトを終えて帰宅する途中、農道の左側から現れたクマ一頭に左手のひらをかまれた。転倒した勢いで左手首を骨折。そのまま帰宅し自宅にいた妻が金沢東署に連絡した。クマが民家などに侵入した形跡はない。
 現場はIRいしかわ鉄道森本駅の東約五キロの山あいの集落。住民によると、集落では柿の木の枝が折れるなどクマの痕跡が見つかっていた。市職員と猟友会員、警察、消防が周辺をパトロールした。
 石川県内では十六日に白山市で男女四人、十七日に加賀市で男女三人が襲われた。十九日には加賀市内の大型商業施設にクマが侵入し、施設を閉めて捕獲作戦が繰り広げられ、約十三時間後に駆除された。
 爪で引き裂かれ、穴が開いた服の左袖。手のひらからは血が垂れ、畳の上に落ちていた。「失敗した。クマにやられた」。自宅の寝室に慌ててやってきた夫を見て、妻の女性(79)は飛び起き、すぐに病院に電話。自家用車で連れて行った。
 男性が妻に語ったところによると、襲ってきたのは体長五、六〇センチの子グマ。男性が自宅近くの上り坂の手前で自転車を降り、手で押しながら歩いていたところ、草むらから突然姿を現した。けがは全治一カ月程度で、入院している。
 「(夫は)家に帰れないと知り、がっかりしていた。約三十年間、毎日早起きして新聞を配り、今日も『気いつけていかんなんよ』と伝えたところ。まさかクマに襲われるなんて」と女性は肩を落とした。
 金沢市小池町の無職梅林美智子さん(73)は「クマが出ることは時々あるが、けがをしたという話を聞くのは初めて」と言い、侵入を防ぐため、蔵のシャッターを閉めた。自営業の安田智春さん(45)も「玄関先に柿の木がある。クマが食べに来たら怖い」と不安を語った。(寺田結)

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