本文へ移動

若きコントレイルの“才能を磨いた”新設牧場、その始まりは1頭の愛馬にささげた情熱だった

2020年10月23日 06時00分

このエントリーをはてなブックマークに追加
厩舎周りを運動するコントレイル。ノースヒルズ清畠での中期育成が、今の礎になっている

厩舎周りを運動するコントレイル。ノースヒルズ清畠での中期育成が、今の礎になっている

◇連載・無敗三冠に挑む
 2017年4月1日、北海道新冠町のノースヒルズで産まれたコントレイル。その後、同年10月に開場したばかりのノースヒルズ清畠(北海道日高町)に移動し、その1期生として1歳の9月まで中期育成が施された。太平洋が見渡せる従来の倍ほどある広大な牧草地で昼夜放牧など、のびのびと育てられた環境が今のコントレイルを支えている。すでに“清畠1期生”から重賞ウイナーは6頭誕生。そのリーダーが無敗の三冠という最大の成果を上げようとしている。
 1頭の愛馬にささげた情熱が、怪物誕生の土台作りの礎となった。2006年11月、ノースヒルズの前田幸治代表は、引退後に繁殖牝馬として米国に渡ったビリーヴ(スプリントG12勝)の初子(後のファリダット)に会いに行くため、福田洋志ゼネラルマネージャー(GM)とともに渡米し、3カ所の牧場を視察した。
 福田GMは「広大な土地で通年の昼夜放牧を行っているのを目の当たりにして、代表が『ノースヒルズでも取り入れよう』という話になりました。通年の昼夜放牧はその年からすぐ行われましたが、広い放牧地を作るには広い土地を取得しなければならないですから時間がかかりました」と、当時を振り返った。
 日高生産馬の活躍が目立ち始めた15年、日高町の広大な土地を取得。整地などの下準備を経て、17年10月にノースヒルズ清畠は誕生して、コントレイルは当歳10月から1歳の9月まで過ごした。その第1期生として清畠で中期育成が行われたのがコントレイルの世代だった。
 函館2歳Sの覇者・ビアンフェを皮切りに、清畠の地で基礎体力強化に努めた馬の中から、現在までに6頭もの重賞ウイナーが誕生している。福田GMはこの活躍に「本当にうれしい結果ですが、全て清畠に起因しているとは思っていません。大山ヒルズ、そして調教師の皆様方の努力があってこその結果だと思いますし、6頭の重賞勝ち馬のうち、4頭がキズナ産駒ですから、キズナという種牡馬にも感謝しています」と、謙虚に話す。
 清畠での中期育成時代、同区画で過ごした12頭のグループの中からコントレイルの福田GMの印象はこうだ。「放牧地の中で楽しそうに過ごしていましたよ。ボスとか優等生とかそういう行動や雰囲気はありませんでした。あの時には、これは2冠を取れるとか、無敗のまま3冠目に挑戦するなんて想像もしていなかったです」と、あくまで特別な存在ではなかったと振り返った。
 10月上旬、ノースヒルズ清畠の第2期工事が無事に完了して、これまで以上に敷地面積が広がった。“チーム・ノースヒルズ”のけん引車となったコントレイルが三冠達成となれば、今まで以上に、中期育成の重要さがクローズアップされるに違いない。

関連キーワード

おすすめ情報

購読試読のご案内

プロ野球はもとより、メジャーリーグ、サッカー、格闘技のほかF1をはじめとするモータースポーツ情報がとくに充実。
芸能情報や社会面ニュースにも定評あり。

中スポ
東京中日スポーツ