【2020とやま知事選】コロナの苦悩 候補者は耳を

2020年10月23日 05時00分 (10月23日 10時03分更新)
飲食店への安全確保と経済的配慮を求める西本伸也さん=富山県射水市三ケの「にくさん」で

飲食店への安全確保と経済的配慮を求める西本伸也さん=富山県射水市三ケの「にくさん」で

  • 飲食店への安全確保と経済的配慮を求める西本伸也さん=富山県射水市三ケの「にくさん」で

「施設で感染どう対応」
「飲食経営 元に戻るか」


 二十五日投開票の富山県知事選は、終息の見通せない新型コロナウイルスへの対応が大きな争点だ。県民の暮らしや経済への影響が色濃く残る中、コロナ禍に直面している有権者たちは「現場の声を大切にする人に一票を託したい」との思いで、候補の訴えに耳を傾けている。(富山県知事選取材班)
 富山市の社会福祉法人宣長康久会が運営する地域密着型・特別養護老人ホーム「ささづ苑かすが」の古柴政美施設長(53)は、コロナ対応に対する各候補の訴えに「ぱっと目を見張るものがなく、具体策は少ないと感じる」と率直に語る。
 四月中旬、施設の職員一人が感染し、対応に追われた。残る職員たちは家族への感染を恐れ、帰宅せず施設内で一週間以上寝泊まりした。宿泊用ホテルを用意してくれるよう県などにかけあったが、具体的な対応はなかったという。
 この法人が運営するデイサービスでは利用者が減り、経営に打撃を受けた。古柴施設長は「現場の声を聴いて、地域の基盤である医療、介護施設に対してより的確な支援策を示してほしい」と強調する。
 同県射水市で焼き鳥店「にくさん」を営む西本伸也さん(45)は「飲食店でコロナ禍以前のように営業できる日が戻るのは難しいかもしれない。そんな業界の状況を、候補者はどこまで配慮してくれているのか」を注視している。
 県内で感染が拡大した四月からテークアウトのみの営業となった。六月に通常営業を再開したが、現在でも客足は半分程度しか戻っていないという。
 「まずは安心して飲みに来てもらえる環境を早く整えてほしい」と話し、各候補には、コロナ禍以前と比べて収入が落ち込んでいることを踏まえた具体的な対応策を求めている。
 富山市内で生活困窮者らに炊き出しをする団体「駅北食堂」代表の堀江節子さん(72)は「誰ひとり取り残さないという考えが必要」と、支援の現場に根差した政策を各候補に求める。
 富山市では、生活保護世帯数が九月末時点で千九百二十六世帯と、前年同期より百三十四世帯増えた。市によると、コロナの感染が拡大した四月以降の増加が目立ち、比較的若い世代の申請も増えている。
 堀江さんは、シングルマザーらがより厳しい状況に追い込まれていると危惧。「富山県内は豊かで貧困対策は必要ないと考えられているが、すべての人がそうとは限らない。格差に目を向けた施策を示してほしい」と訴える。

関連キーワード

PR情報

北陸発の最新ニュース

記事一覧