泉鏡花市民文学賞決まる

2020年10月23日 05時00分 (10月23日 10時32分更新)
泉鏡花記念金沢市民文学賞を受賞した栂満智子さん(右)と松下卓さん=金沢市役所で

泉鏡花記念金沢市民文学賞を受賞した栂満智子さん(右)と松下卓さん=金沢市役所で

  • 泉鏡花記念金沢市民文学賞を受賞した栂満智子さん(右)と松下卓さん=金沢市役所で

◇栂さん 歌集「ゆきあかり」
◇松下さん 小説「網野草太郎 フラグメンツ」


 金沢市が主催する第四十八回泉鏡花記念金沢市民文学賞の受賞作品が二十二日、発表され、いずれも同市在住の栂(とが)満智子さん(68)の歌集「ゆきあかり」と、松下卓(たかし)さん(62)の小説「網野草太郎(もうのくさたろう) フラグメンツ」が選ばれた。この日、市役所でそろって記者会見に臨み、受賞の感想を語った。 (小川祥)
 富山県高岡市生まれの栂さんの作品は、本格的に短歌を始めた一九九九年から二十年間分の作品から四百六十八首を抜粋した歌集。写実的な技法を使い、絵画のような趣のある短歌が並ぶ。選考委員会は「人の情愛にも目を向け、人生を肯定的に捉える明るさが、この歌集に厚みと温かさをもたらしている」などと評した。
 栂さんは「本当にうれしかったが、賞をもらうまで信じられなかった。日記のように作っていたが、こうしてまとまると私の歴史になった歌集だなと感じる」と振り返った。
 長野市出身の松下さんは、金沢大進学のため金沢へ。就職などで金沢を離れたものの、転勤で再び金沢に戻った。四十代から仕事の傍ら、本格的に執筆活動を始めた。作品は、ジャズピアニストとして二年間活躍した「網野草太郎」の営みを描いた小説。選考委員会は「自己と世界の隔たりを乗り越えようとする人間の苦難と解放を、巧みな構成で描き出している」などと評した。
 松下さんは「金沢の町を歩くのが創作の源。金沢が与えてくれるものをしっかり受け取りながら、良い作品を書き続けたい」と話した。
 同文学賞は、金沢にゆかりのある市民の著作が対象で、散文十七作品、短詩型六作品の計二十三作品の応募があった。授賞式は、十一月二十一日に市文化ホールで開かれる。

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