クマ出没に南加賀厳戒

2020年10月23日 05時00分 (10月23日 10時27分更新)
警鐘を鳴らしながら温泉街を巡回する消防車=加賀市山代温泉で

警鐘を鳴らしながら温泉街を巡回する消防車=加賀市山代温泉で

  • 警鐘を鳴らしながら温泉街を巡回する消防車=加賀市山代温泉で

「やぶ刈り取りに補助」
「防災無線で注意喚起」


「朝夕に消防車が警鐘」
「生ごみ外に置かずに」


 小松、白山、加賀市で人がツキノワグマに襲われ、JR北陸線加賀温泉駅前のショッピングセンター店内に半日も侵入されるなど、南加賀では市中でのクマの目撃、人的被害が相次ぐ。市町は警報を出すなど警戒を強めている。(小室亜希子、平井剛、坂麻有、都沙羅)

◇小松市


 県の「出没警戒情報」(八日)より早く、九月二日にクマ出没警報を発令した。那谷町の県道で男性が襲われたのがきっかけ。中山間地を中心に、消防車や市の公用車で毎日、パトロールする。クマを引き寄せる市中のカキの摘み取りや隠れ場となるやぶの刈り取りについて町内会向けの補助制度を新設。人家にクマを引き寄せないよう取り組む。
 クマの出没が過去最多を更新しており、今月十二日、市民向けにクマと合わない、引き寄せない、出合った場合の対処を記したポスターを五百枚作製。クマが多く出没する地域にあるこまつドームには十五日、現地指揮本部を設置。竹村信一副市長が陣頭指揮する。加賀市のショッピングセンターへのクマ侵入を受け、二十一日に小松商工会議所を通じて二百二十一の役員の会員事業所に警戒を促す文書を送った。「玄関、搬入口、裏口など、建物への入り口を短時間でも開けた状態で放置しない」などの対策が書いてある。市民向けポスターのデータも小松商議所ホームページに出すなど人的被害を出さないよう躍起だ。

◇白山市


 十六日、明法島町で男女四人が相次いで襲われた。クマが住宅街に出没した場合、出没場所付近の町内会で音声告知放送を流すほか、各家庭に順次、配っている防災行政無線で注意を求めている。市民の安全に緊急性が高いと判断した場合、市民向けの防災メールも送信している。二十一日に対策会議を開き、市民に注意喚起を促すちらしを今月中に、市内の全三百八十八町内会に回覧すると決めた。

◇加賀市


 四人が襲われ、駅前のショッピングセンターに侵入されたのを受け、二十日、初の緊急対策本部を設けて「緊急警報」を出した。防災メールや防災行政無線、市ホームページなどで最大限の警戒を市民に呼び掛けている。全町内会を通じて注意喚起の文書を送り、餌になる果実の回収、音の鳴る物の携行を促す。
 捕獲用のおりは十月当初、山間部に二基置いたが、十八日に五基増やして計七基に。さらに五基の増設を予定する。小松市同様、やぶの刈り払い費の町内会向け助成などの制度を早急に整えるとしている。
 捜索や追い払いにドローンの活用も検討する。ドローンからクマが嫌う音や超音波を出し山に追いやる。定点カメラなど情報通信技術(ICT)機器を使い、リアルタイムで監視・通報するシステムの導入も検討する。
 市消防は朝夕の通勤、通学時間帯に消防車が警鐘を鳴らし市内を巡回。二十三日には消防や警察、猟友会などと合同パトロール出発式を行う。

◇能美市


 目撃情報が今月急増し二十一日時点で、昨年の十二件の四倍以上の五十四件になった。山間地を抱える辰口地区と寺井地区の一部は市職員が小中学校の登下校時に巡回。児童館には子どもだけで訪れないよう求める。生ごみを外に置かず、柿の実の早期の摘み取りも呼び掛ける。

◇川北町


 十二日にクマの目撃情報があった。町内に山間地がなく、町はクマは生息していないと考え、町の担当者は「何十年ぶりかの目撃」と驚く。今月いっぱい警戒し柿の実の摘み取り、茂みの撤去などを呼び掛ける。町にほど近い白山市明法島町で十六日に四人が襲われた際、町は情報を把握していなかった。担当者は「自治体間で情報共有できる仕組みを考えたい」と課題点を指摘した。

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