GoToイート 恩恵届かぬ地方

2020年10月22日 05時00分 (10月22日 10時19分更新)

サイト登録 金沢、野々市、富山、高岡に集中


 政府が今月始めた「Go To イート」のオンライン予約事業に登録する飲食店が石川、富山両県では地域的に偏り、二十一日時点の大手予約三サイトには四割近い十三市町村で登録店のないことが分かった。全国で六百七十七億円の予算が投じられながら、コロナ禍で苦しむ地方の店や消費者が公平な恩恵を感じにくい「支援メニュー」となっている。(辻渕智之)

◇石川県内7市町はゼロ
◇富山県内6市町村はゼロ


 この事業は、民間グルメサイト経由で登録店に予約して飲食すると、次の予約時から使えるポイントが夕食なら千円分、昼食なら五百円分が付与される。国が委託した十五サイトのうち大手の「ホットペッパー」「ぐるなび」「食べログ」で両県の登録店を調べると、石川県は金沢と野々市、富山県は富山と高岡の各市に集中していた。
 登録店の多いホットペッパーの二十一日掲載分を検索すると、石川県内の三百三十六店のうち金沢、野々市両市で三百十二店あり93%。富山県内の百六店のうち富山、高岡両市で八十九店あり、84%を占める。町や村で三サイトに登録店があるのは石川県の津幡、内灘町だけ。市でも同県珠洲市と富山県小矢部市はゼロだった。

◇ネット操作、手数料が壁
◇観光客いないと「損」


 珠洲市のレストラン「典座(てんぞ)」を営む坂本一郎さん(59)は「(予約管理やポイント付与に関する)ネットの操作が私には無理。珠洲は高齢の経営者や店員が多いので加盟は難しいと思う」と話す。利用できる客もパソコンやスマートフォンを使える人に限られる。
 小矢部飲食店組合の島津貴之組合長(49)は「サイトに登録しても観光客はそう流れてこない。地元の常連客の売り上げから手数料だけ取られる形になり、飲食店支援でなくむしろ損になりかねない」と言う。
 サイトによっては昼食で予約客一人につき五十〜百円、夕食で二百円の送客手数料を店から徴収する。両県内にチェーン店を出す居酒屋の本部担当者も「店側にとって重い負担。サイト会社には、国から委託事業料も出ているのに二重取りでは」と不満を漏らす。
 十五サイトを運営する十三事業者への委託費は六十一億円。地方で登録が敬遠される現状に、農林水産省の担当者は「Go To イートは『オンライン予約』と『購入額の25%分上乗せ食事券』の二本立てなので、使えるほうを利用してほしい。食事券発行への国からの給付金額は人口や飲食店数から計算すれば、地方に対して手厚くなっている」と説明する。
 25%上乗せ食事券の発行事業は両県の場合、国の委託を受けて旅行会社JTBが商工団体などと実施し、二十六日から販売と利用が始まる。事務局によると、石川は約二千三百店、富山は千五百店が県内全域で登録し、さらに増える予定。石川では購入引換券が郵便で全戸配布されている。

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