再エネ一括管理 嶺南6市町実験  駅駐車場にEV 観光や通勤に 

2020年10月22日 05時00分 (10月22日 09時55分更新)
(右)充放電機(手前)で充電する電気自動車(EV)

(右)充放電機(手前)で充電する電気自動車(EV)

  • (右)充放電機(手前)で充電する電気自動車(EV)
  • 予約アプリ「Patto」の開錠画面=いずれも21日、敦賀市営白銀駐車場で

 きょうから貸し出し

 嶺南地域に点在する蓄電池や再生可能エネルギー発電所を一括管理するVPP(バーチャルパワープラント、仮想発電所)の実験が始まる。電力の過不足が生じた場合、家庭や企業、電気自動車(EV)が持つ蓄電池などで電力を蓄えたり、供給したりする仕組みづくりを目指す。複数市町をまたぐ実験は全国初。二十二日からは嶺南六市町の駅周辺駐車場に実験で使うEVを一台ずつ配備して住民や観光客に貸し出し、VPPに親しみを持ってもらう。 (高野正憲)
 県や嶺南六市町などによる事業。電力の需給バランスが崩れると大規模停電の恐れがあるため、従来は火力発電所の出力を調整したり、太陽光発電所などを送電網から切り離したりして対応してきた。
 VPPでは、電力会社が持つ制御機器の指示で、EVや家庭にある各蓄電池から足りない電力を賄ったり、過剰な電力を充電したりして有効利用する。火力発電への依存度を下げて、天候により出力が左右される再生エネを普及させるには必要な仕組みだ。
 実験で貸し出すのは日産リーフ。敦賀市の白銀駐車場や小浜市の東小浜駅駐車場などに配備した。EVは十五分から利用でき、初回は一分につき十三円(税抜き)。二回目以降は、急発進や速度のムラなどの運転履歴をもとに一分につき十から十五円の間で利用者ごとに料金設定がされる。
 利用はスマホアプリ「patto」に無料の会員登録をして予約する。スマホで支払いができ、車側とブルートゥース通信で開錠、施錠もできるため対面での手続きは不要。
 来年一月からは、関西電力や北陸電力の職員用EVなども実験に参加し、制御機器と駅周辺のEVを含めた二十台を通信ネットワークでつないでVPPを構築する。送電網の電力が供給過剰のときは駐車場に設置されている充放電機を通じてEVの蓄電池に充電し、不足しているときには放電する。充電量が少なく運転に支障が出る場合は放電しない。
 二〇二一年度から大飯、高浜両町の太陽光発電所(最大出力千キロワット)も加わり、再生エネ発電所の不安定な出力を蓄電池で補えるか確かめる。県の担当者は「近未来に触れてエネルギーに関心を持ってほしい。観光のほかセカンドカーとして通勤通学に利用を」と呼び掛けている。

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