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コントレイルの生産者・ノースヒルズ代表・前田幸治氏にインタビュー「こんなに走る馬になるとは思っていませんでした」菊花賞後はJCが選択肢

2020年10月22日 06時00分

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コントレイルへの思いを熱く語ったノースヒルズ・前田幸治代表=大阪市北区・アイテック株式会社

コントレイルへの思いを熱く語ったノースヒルズ・前田幸治代表=大阪市北区・アイテック株式会社

 ◇連載・無敗三冠に挑む
 三冠を狙うコントレイルの生産者である(株)ノースヒルズ代表・前田幸治氏がインタビューに応じた。ダービー馬のキズナ、ワンアンドオンリーをはじめ、数々のG1馬を送り出してきた日本屈指のオーナーブリーダーが、どんな心境で決戦の日を迎えるのか。そして未来への展望は―。
 
 ―無敗でコントレイルがダービーを制覇。ノースヒルズとしてはキズナ、ワンアンドオンリーに続く3度目の栄冠を手にした
 「コロナ禍で先行きの不安など世の中が重苦しくなっている時に、われわれやファンの方々に、夢と希望を与えてくれる走りだったのではないでしょうか。私たちノースヒルズも大変勇気づけられました」
 ―秋の始動戦・神戸新聞杯を快勝
 「馬ごみでの競馬でしたが、全く動じていませんでした。ビッグハートですよね。コントレイルは競馬をするたびに、レース巧者になってきていると思います。福永騎手も馬を信頼して騎乗してくださっていました」
 ―コントレイルとの初めての出会いは
 「産まれて3週間くらいしてだったと思います。その時は正直、こんなに走る馬になるとは思っていませんでした。馬は本当に分からないものです」
 ―この馬の長所は
 「オンとオフがはっきりとしているところだと思います。無駄なことは一切しませんし、乗り手の指示を理解する聡明(そうめい)さも持っています。大山ヒルズの馬房では、ゆっくりカイバを食べては休んで、また食べては寝て、とマイペースに過ごしています。休息の取り方も、他の馬より上手なのかもしれません」
 ―今回、史上3頭目となる無敗三冠に挑む
 「まずは無事にゲートインして、そして無事にゴールまで帰って来てほしいというのが一番の願いです。重圧は感じていません。私が走るわけではないですし、周囲の人間が気負って良い事は何もありません。コントレイルは自在性があって、操縦性も高く、どんなレースでも対応できますから、距離の心配もしていません。ノースヒルズは菊花賞を一度も取っていません。皐月賞、ダービー、牝馬三冠は勝っていますが、菊花賞はクリンチャーの2着(17年)が最高です。のちにコロナ禍に誕生した無敗の三冠馬として、ファンの皆さまの記憶に残ってくれればいいですね。再び夢と希望を届けられればと思っています」
 ―馬主は弟である晋二さん
 「弟だけでなく、私の妻も長男も馬主ですが、誰の所有馬であっても喜びは同じです。コントレイルは生産馬でもありますし、コントレイルが偉業を達成してくれたなら、チーム・ノースヒルズにとって最高の誉れだと思います」
 ―福永祐一騎手の印象は
 「頭がシャープで、スマートだと思います。ここ2、3年は特に感じるんですが、レースをよく読んでいますよね。仮に失敗をしても、必ず次以降のレースに生かしています。ジョッキーとして円熟味が増していると感じますね」
 ―管理する矢作師も頼もしい
 「とても熱心で行動的な方だと思います。育成所に行っているかと思えば、あくる日は北海道の牧場へ出かけ子馬達を見ていますし、海外もレースだけでなくセリにも積極的に参加しておられる。物事をきちんと組み立てて実行される聡明さを兼ね備えながら、勝機ありと思えば大胆なチャレンジもされる、勇気ある調教師だとお見受けしています。福永騎手、矢作調教師ともにプロです。相談はしますが、こちらから指示をすることはありません。私がレース前にかける言葉は『グッドレースを』。これには馬の能力を発揮して悔いのないレースを、そして人馬ともにけがなく無事にという気持ちを込めています。今回もそんなレースを、と思っています」
 ―今後の夢は
 「無事ならば、この後はジャパンCが選択肢にあります。コロナ禍もありますし、海外は現時点では考えていません。ディープインパクトの最高傑作、と称して頂くことがありますが、まだまだその域には達していません。この先、一つ一つタイトルを手にして、偉大なる父に一歩ずつ近づいていきたいです。われわれのモットーは『チャレンジング・スピリット』。この精神で、これからもより一層の向上心をもって、挑戦を続けていきたいと思います」
 ▼前田幸治(まえだ・こうじ) 奈良県出身。官公庁及び民間大型プラントの総合エンジニアリング業「アイテック株式会社」代表取締役会長。株式会社ノースヒルズ代表。1984年、北海道新冠町に、現ノースヒルズの前身となる牧場「マエコウファーム」を開場。日本競馬界屈指のオーナーブリーダーとして、ダービー馬キズナ、ワンアンドオンリーといった多くの活躍馬を送り出す。ノースヒルズグループで、重賞158勝(うちG134勝)を挙げている。

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