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収穫や出荷を省力化 小浜の仏谷漁港沖 カキ養殖新手法に挑戦 

2020年10月21日 05時00分 (10月21日 09時36分更新)
海中に沈められるマガキの入ったバスケット=20日、小浜市仏谷沖で 

海中に沈められるマガキの入ったバスケット=20日、小浜市仏谷沖で 

  • 海中に沈められるマガキの入ったバスケット=20日、小浜市仏谷沖で 
  • マガキの稚貝=仏谷漁港で

本年度の試験スタート

 一粒ずつばらばらになった稚貝を編み目のバスケットの中で育てるシングルシードマガキの本年度の試験養殖が小浜市の仏谷漁港沖で二十日、始まった。海中でカキの殻がこすれ合うことでホヤや海藻が付着しにくくなり、収穫や出荷作業の省力化が期待される。 (鈴村隆一)
 小浜市内では、仏谷地区と甲ケ崎地区を中心にマガキの養殖が行われている。約三十年前には四十軒以上あった事業者が高齢化や後継者不足で十六軒まで減少した。生産者を支援しカキ養殖の活性化を図ろうと、県嶺南振興局が昨年度から、新たな手法としてシングルシード養殖の試験を事業化し、事業者に委託して状況を調べている。
 カキの稚貝を付けたホタテの貝殻をロープに挟んでいかだにつるす従来の垂下式養殖では、成育中にホヤやフジツボが付着し、出荷時などの除去作業に大きな労力がかかる。シングルシードでは、バスケットの中のカキが波の力で自然に揺れ動き、付着物を防ぐ。転がりながら育つため、殻の形が平らではなく丸く滑らかになり、ぷりっとした身がぎっしり詰まる。
 この日は、昨年度に続いて試験養殖に取り組む事業者の大住徳博さん(63)が、長さ七十センチの三角柱のバスケットの中に、三センチほどの稚貝を百個ずつ入れ、計四つを沖合約三百メートルのいかだにつるした。今後、カキが大きくなるにつれて、一つのバスケットの中を半分の五十個に減らす。約半年で五〜六センチ、五十グラム程度の出荷サイズになる。大住さんは「水洗いで出荷できるので作業が楽になる。小ぶりだが理想的な形に育ってくれる」と新たな養殖法に期待を寄せている。
 本年度は、市内四人の事業者が一人千個の稚貝を試験養殖する。生食用の出荷を見据え、細菌などの検査も予定する。

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