「ディープは死んじゃった」だから矢作師はコントレイルに託したい「さらにお父さんの名声を高めて…」
2020年10月20日 06時00分
◇連載・無敗三冠に挑む
「第81回菊花賞」で断然の主役を務めるのが皐月賞、日本ダービーを圧勝したコントレイル。史上3頭目となる無敗三冠に向けて、矢作芳人調教師(59)=栗東=の胸中は…。インタビュー後半の今回、強さの秘密、不安点など、大一番を前にした率直な思いを語ってもらった。
―改めて、矢作師にとっての“三冠”とは。
矢作師「シンザンに憧れて、競馬に入った人間ですから。日本人にとって“有馬記念が最後の締め”というのと同じで、特別なものだと思います」
(続けて)
「高校生の頃、シンザンの写真を部屋に飾っていたからね。あと、一番印象に強いのは(コントレイルの)お父さんであるディープインパクト。それは間違いない」
―勝てば、無敗の三冠馬から無敗の三冠馬が誕生することになりますね。
「ディープは死んじゃったし、さらにお父さんの名声を高めてあげたいと思う」
―ファンが知らないコントレイルのエピソードを教えてください。
「よく寝る。それだけオン、オフがしっかりとできていて休めるということ。寝るということは脚もとが休まるということだから、寝る馬は大好き」
―制限付きとはいえ、当日は有観客競馬です。
「それだけでもうれしいこと。もう少し人を入れてもいいのに、と思いますけど。それでも、無観客とは大きく違うので、入ってくれることはうれしい」
―ファンにメッセージをお願いします。
「ダービーを勝ったあたりから、僕らだけの馬じゃないというか、ファンの馬、日本競馬全体の宝だと思っています。大事に育てていますし、どんな競馬をするか、僕も楽しみにしているので、皆さんも楽しみにして応援してください」
―改めてコントレイルの優れた点を教えて下さい。
「神戸新聞杯の4コーナーで一番良く分かることだけど、抜ける時のスピードが速いこと。騎手のサインに瞬時に反応する。その速さがあるから不利を受けづらい。スッと抜けられないと前が狭くなることがあるけど、そこのスピードが速いから不利を受けづらい」
―舞台の京都が初めてなのは?
「そういえば初めてだね。ドボドボのひどい道悪になるのだけが嫌だな。枠順は内の方がいいけど、それほど気にしていない」
―距離3000メートルについてはいかがでしょう?
「良馬場でやって普通の競馬をして負ければ、これは距離でしょう。明らかにね。最初から言っているように、適正じゃないことは分かっているので。それでも、能力の高さでクリアしてくれるのでは、と思っています」
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