森林管理の担い手育て 金沢林業大学校が専門コース 来年度新設 卒業後の従事者少なく

2020年10月17日 05時00分 (10月17日 05時03分更新)
山の中で林業について現場で学ぶ入校生たち=金沢市娚杉町で

山の中で林業について現場で学ぶ入校生たち=金沢市娚杉町で

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 林業の担い手育成のため二〇〇九年に金沢市が開校した金沢林業大学校。森林管理の道に進む卒業生が少ない現状があることから、同校は専門コースを来年度から新たに設け、スペシャリストの輩出を目指す。 (小川祥)
 林業大学校は、十八〜六十五歳を対象に、座学や実習で草刈り機やチェーンソーの使い方やキノコなどの栽培方法を年間四十日で二年間学ぶ。現在は六期生十二人が学んでいる。
 市によると、開校以来、毎年十一〜十八人が入校し、これまでに六十八人が卒業。その中からは、金沢市森づくり市民会議の専門委員を務める人や民間企業を立ち上げ、林業に携わる人も出てきているという。
 一方で定年退職をした六十代の入校生が年々増加しており、一〜四期生の平均年齢は五十二歳だったが、五〜六期生は五十七歳と高齢化の傾向にある。また、卒業後の進路として、樹木伐採などの森林管理ではなく、キノコ生産の道に進む人も増加している。
 一期生で森林管理に進んだ人は七人いたものの、現在研修中の六期生の中では三人が志望しているのみ。本来の開校目的だった森林整備の担い手育成につながっていない課題もある。
 金沢市内の森林のうち、市や民間が管理する民有林が約八割を占めるが、森林管理を担う人材は年々減少傾向にあり、後継者の育成が求められている。
 課題解消のため、来年度から開設する専門コースでは、クレーンやトラクターなどの重機の操縦を学んだり、実際の現場に派遣したりして、より実践的な内容を学ぶ。空から森林調査をするドローンなどの最新技術の学習も取り入れる。研修日数も年四十日から百二十日に増やす。
 市森林再生課の担当者は「危険なイメージを持たれがちな林業だからこそ、大学校は専門性をしっかりと身に付ける場になる。森林管理に従事する即戦力を輩出できるようにしたい」と期待を寄せた。

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