<Meet STEAM>慶応大医学部教授 宮田裕章さん(中)

2020年10月19日 05時00分 (10月20日 10時58分更新)
 新型コロナウイルス感染が拡大するなか、社会にとってデータの価値が見直されています。アプリを活用した新型コロナの全国調査を手掛けるなど、データサイエンスを使い、第一線で問題解決を図っているのが、慶応大医学部教授の宮田裕章さん(42)。インタビュー(中)では、現在の考えに至る道のりや、中学、高校、大学時代の学び方について聞きました。(聞き手・宮崎厚志)

みやた・ひろあき 1978年生まれ。慶応義塾大学医学部医療政策・管理学教室教授。東京大学大学院修士課程修了。保健学博士。厚生労働省データヘルス改革推進本部アドバイザリーボードメンバー。2025日本万国博覧会テーマ事業プロデューサー。全国5000病院が参加する症例データベース、LINEと厚労省の新型コロナ全国調査のほか、医学領域以外も含む新しい社会ビジョンを描く。

◆お金以外に社会を動かせる価値を探して

 ―データを医療に生かすという考えに至るまでの道のりは?
 二十歳くらいのころ、これから社会に対して大きな影響を与えていく分野やものの見方は何だろうって考えていました。それはやはり情報だろうと。科学は当時からデータがかなり重要でしたけど、産業もデータに基づいているので、ものを見る目という意味でも、押さえておくべきことはデータになるだろう。そう考えました。
 もうひとつ、当時はお金で社会が回っていると信じている人が多く、お金以外のもので社会が動くのかということに関しては、まだ懐疑的でした。そのなかで医療は、命とか患者さんの生きがいというのをデータ化しながら、お金よりも大事なものとして位置づけ、実践を重ねていたんですね。この先データで動く社会が来たときに、そうした分野というのは、かなり大事になるんじゃないかと考えました。
 ―どのように学んできたのでしょうか?
 高校のころから科学や哲学の本をたくさん読んで、友人たちと対話していました。大学に入ってからは加えて、トップの研究者に直接問いをぶつけました。例えばある教授の本を読んで、「あなたの本は読みました。一方でこういう視点もあると思いませんか?」とかって(笑)。すこし極端な例ですけど、自分の視点でその先にある世界をどうつくるか考えたときに、やはり直接対話するのが一番手っ取り早い。学びの場である大学における、学生の特権ですね。
 学生というのは、いろいろなリソースにアクセスしながら、自分自身の可能性を追求できる権利を持った人たちです。学業は義務ととらえられがちですが、権利として持っていること。それをどう使っていくのかを考えると、また大学の見方も変わってくると思います。
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