リニア開業時期、不透明 JR社長「難しい問題山積」

2020年10月16日 05時00分 (12月22日 17時29分更新)
 国がリニア中央新幹線の工事を認可して十七日で丸六年になるのを前に、JR東海の金子慎社長は十五日の会見で、目標としていた二〇二七年の開業が困難になっていることについて「今は新しい開業時期を申し上げることができない」と述べ、開業時期が不透明な状態になっていることをにじませた。
 リニアでは、大井川の水や生物多様性の問題などを巡り、静岡県の川勝平太知事が南アルプストンネル静岡工区(静岡市葵区)の着工を認めず、同トンネルで静岡工区だけ未着工の状態が続いている。
 認可から六年になることについて金子社長は「それなりに沿線で工事が進捗(しんちょく)した一方、静岡工区は着工できていない。いろいろ難しい問題がある」と述べた。川勝知事が十月に出た月刊誌で主張したリニアの部分開業については「一通り設備ができていないと、路線と車両だけで運行できるものではないので大変難しい」と語り、ルート変更も「できない話」と否定した。
 一方、一部報道が伝えた大井川直下の湧水に関して調査した資料を公開しない理由について、資料は「施工上の懸念事項、留意事項を書き込んだ書類」とした上で「専門的な知識を持った人が見れば有効な資料だが、そうでないと、いたずらに不安になるたぐいのことも入っている」と説明。大井川の流量減少などについて検証している国の有識者会議で必要に応じて説明することで「懸念を解消する方法がいいのではないか」と語った。
 この資料は静岡新聞が九月に報道。JRが委託した調査会社が七年前に作成した資料に「大井川直下で大量湧水の懸念がある」と記載されていたと伝えた。

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