北陸は安全 過“震”禁物 震度5が年2回

2020年10月16日 05時00分 (10月16日 11時16分更新)

◇過去100年で初
◇揺らぐ低リスク


 九月上旬、北陸地方を震源地とする地震が短期間に相次いだ。北陸は「地震リスクが少ない」ともいわれる。これらの地震に不安を感じる読者もいる。今春には石川県能登地方を震源とする最大震度5強の地震も発生。北陸三県で同じ年に震度5弱以上の地震が複数の県で発生した例は、気象庁の震度データベースで検索できる一九一九年以降では初めて。専門家に今回の特徴を聞き、リスクを考えた。(阿部竹虎)
 「地震は日本列島全体で起きる地殻のひずみを解消する動きとして生じる。活断層が見つかっていなくても地震が起きるリスクはある」。金沢大の平松良浩教授(地震学)は指摘する。
 九月四日午前九時すぎ、福井県嶺北地方を震源にマグニチュード(M)5・0の地震があり、最大震度5弱を観測。同県内では六三年の「越前岬沖地震」(M6・9)以来の規模で、石川県の南加賀でも震度3を記録した。
 四日の震源は四八年の福井地震(M7・1)をもたらした福井平野東縁断層帯から九キロほど離れており、平松教授は「地表の断層との関連がはっきりしない地震としては、やや大きめだった」とみる。

◇断層と関連不明の例も
◇短期間で続発 事前の備え必要


 三月十三日未明に能登地方で最大震度5強を観測した地震(M5・5)も、二〇〇七年の能登半島地震(M6・9)から小規模な地震があまり観測されていなかった「空白域」だという。
 福井県であった地震の二日前。九月二日未明に石川、富山県境付近で最大震度3の地震が発生し、金沢市でも震度3を観測した。平松教授は「地震の大きさや震源の距離を考えると、誘発して起きたとは考えられない」と分析する。
 過去をさかのぼれば、石川県では一七九九年に金沢地震(M6・0程度)が発生し、現在の金沢市域を中心に数千の家屋が損壊、二十一人が亡くなった。富山県では一八五八年の飛越地震(M7・0〜7・1)があり、山崩れで常願寺川の上流がせき止められて決壊。少なくとも、百四十人が水害で、三十六人が山崩れで亡くなっている。
 金沢市周辺には森本・富樫断層帯があり、政府機関の地震調査研究推進本部は、M7・2程度の地震の発生確率を「今後三十年以内に2〜8%」と見立てる。能登地方では日本海沖の地震で五メートル超の津波に襲われた記録も残る。
 平松教授は「リスクが低いとされる場所でも甚大な被害をもたらす場合がある。事前の備えが重要だ」と訴えている。

 身近な疑問から企業、自治体の内部告発まで読者の情報や調査依頼に基づき、記者が取材する「Your Scoop〜みんなの取材班」。情報収集には無料通信アプリLINE(ライン)を使い、個人情報の秘匿には細心の注意を払います。ニュースやテーマごとにご意見を募り、紙面で紹介する場合もあります。


関連キーワード

PR情報

ユースク北陸の最新ニュース

記事一覧