不登校の子らにボードゲームで居場所 鈴鹿で市民活動

2020年10月15日 05時00分 (10月16日 21時26分更新) 会員限定
ボードゲーム倶楽部で楽しい時間を過ごす不登校の子どもら=鈴鹿市内で(一部画像処理)

ボードゲーム倶楽部で楽しい時間を過ごす不登校の子どもら=鈴鹿市内で(一部画像処理)

  • ボードゲーム倶楽部で楽しい時間を過ごす不登校の子どもら=鈴鹿市内で(一部画像処理)
 卓上で駒や札を動かして勝敗を競う「ボードゲーム」を活用して不登校の子どもらに居場所を提供する市民活動が鈴鹿市にある。当事者らが楽しく時間を共有できる場で、世間とつながる安心感にもなっているようだ。 (片山健生)
 今月上旬の土曜日午後、近鉄鈴鹿線沿線に立つ民家の広間。手書きの名札を着けた小学生から保護者ら社会人まで計九人が二班に分かれ、それぞれボードゲームに興じていた。自分の街を大きくしながら競うゲームの四人はさいころ二個の出目で一喜一憂。「八、おお、来た」「あー、九、また借金だ」。長机を囲み、言葉が自然と飛び交う。
 市民団体「子どもの居場所づくりを考える会鈴鹿」が月二、三回ずつ開く「ボードゲーム倶楽部」。ボードゲーム好きで家族とも楽しむ山浦久美子代表(48)が毎回、私物の約四十点からお薦めを選んで持ち込んでいる。
 きっかけは、小学四年の三男(10)。この二年半ほど、ほぼ不登校だが、本年度の担任教諭がボードゲーム好きと知ると、家庭訪問などの際に新作の話題でうれしそうな表情を見せるように。そこで七月にボードゲーム倶楽部と称し、担任教諭や家庭教師などを交えて遊ぶと三男を含めて盛り上がった。
 運も必要なボードゲームは年齢を問わず楽しめる。進行に合わせて会話も生まれることから、山浦さんは「不登校で行き場のない子どもが、緩やかでも世間とつながるきっかけになる」と確信。遊び方に詳しい子が初心者の大人に教えれば、自己肯定感も高まるとして定例化を決めた。
 口コミで周知しながら開催を続け、これまでに、不登校だったり、登校を渋りがちだったりする小学三年〜中学二年の七人が参加した。取材した日も不登校の小学生二人が楽しげに過ごしていた。
 津市から来た小学三年の女子児童(8つ)は三回目の参加で、「初めは緊張したけど、すぐ慣れた。楽しくて時間はあっという間」とはにかんだ。母親(35)は「のっぺりした毎日でも倶楽部の予定があると生き生きして過ごせる。社会性を育む機会にもなればいい」と目を細める。
 中学時代の三年間は不登校で、現在はフリースクールに通う男子(16)は「不登校当時は不安で、状況が良くなる取っ掛かりもなかった。不登校の子は一人だと行き詰まる。誰かがそばにいることが大切」として初回から参加している。
 高校一年の長男(16)が不登校という四日市市の女性(42)は...

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