コロナ変わる越える 県中小企業団体中央会・山内致雄会長

2020年10月15日 05時00分 (10月15日 05時01分更新)
「助け合いを新たなビジネスにつなげたい」と語る県中小企業団体中央会の山内致雄会長=浜松市南区で

「助け合いを新たなビジネスにつなげたい」と語る県中小企業団体中央会の山内致雄会長=浜松市南区で

  • 「助け合いを新たなビジネスにつなげたい」と語る県中小企業団体中央会の山内致雄会長=浜松市南区で
 県中小企業団体中央会の山内致雄会長(78)は、新型コロナウイルス禍で県内経済に深刻な影響が広がるさなかの六月に就任した。幅広い産業で中小・零細企業が苦境にあえぐ中、九百団体近い会員組合が業種や地域にとらわれずに助け合う環境づくりに意欲を見せる。 (聞き手・久下悠一郎)
 −県内各地の業況は。
 西部は基幹産業の製造業で自動車関係の売り上げが八月ごろから戻り始めた。中部は「一本足」ではなくさまざまな業種がある。サービス業は厳しいが、テレワークや自宅で過ごす人が増えて家具や内装関係は堅調という。東部は観光業で訪日外国人の需要が消えた。「Go To トラベル」の対象に東京が十月に加わったことはプラスだが、感染対策との兼ね合いで苦慮しているとも聞く。
 −自身は逆風下での船出となった。
 あらゆる業界の組合を束ねており、重責を感じている。個々の事業者では限界があっても、組合という組織を通じて国や県の支援策の情報を共有でき、行政に対する「声」も大きくなる。今こそ中央会の存在意義は大きいと思っている。
 −さっそく取り組んでいることは。
 会員組合同士でサービスや商品を紹介し合う「助け合い応援プロジェクト」を実施している。例えば、伊豆の温泉の芸妓(げいこ)のお座敷チケットを県西部の会員組合の事業者に使ってもらう。ものづくりの原材料で余っているものがあれば、他の組合や事業者で使えるようにする。
 日本で働きたくても休業状態で仕事がなく、移動制限で母国にも帰れない技能実習生や労働者がいる。監理団体と連携し、受け入れを希望する企業につなぐ人材共有の仕組みも必要だ。これまでは西部、中部、東部という域内での付き合いが目立ったが、広域的に助け合うことで新しいビジネスの機会を生み出したい。
 −コロナ禍で見えてきた中小企業の課題は。
 デジタル化だ。ビデオ会議システム「ズーム」などの使い方を各組合の事務局に解説するセミナーを既に開いた。非対面による感染防止や移動時間の短縮につながる。中央会としてもオンライン相談に力を入れていく。
 −デジタル化は菅政権の重点施策でもある。
 工場のシステム関連を社業としていて感じるのは、日本は会社や部門ごとにシステムを一から造り込んで開発する傾向があること。汎用的なシステムを活用する海外とは真逆で、コストや保守の手間がかかる。日本特有の難しさを直視し、標準的なシステムを広めていくことが大事だ。
 やまうち・むねお 工場自動化分野をはじめシステム関連製品を扱う電興社(浜松市南区)の社長。自動車試験機を手掛けるグループ会社の新日本特機(西区)が加盟する協同組合「浜松技術工業団地」の理事長を2010年から務める。東京都生まれ、袋井市出身。
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