【富山】IoT防災 砺波で活躍 用水路データで水害対策

2020年10月15日 05時00分 (10月15日 12時34分更新)
若林口用水路に設置された水位計(下方の水中に入っている管状のもの)とデータの発信装置(上部の小さいボックス状の装置)

若林口用水路に設置された水位計(下方の水中に入っている管状のもの)とデータの発信装置(上部の小さいボックス状の装置)

  • 若林口用水路に設置された水位計(下方の水中に入っている管状のもの)とデータの発信装置(上部の小さいボックス状の装置)
  • 水位計からの送信画像が表示されたタブレット端末の画面。水位の変化が一目でわかる=いずれも富山県砺波市で

4月導入 除雪などに拡大検討


 用水などの水位データをリアルタイムで担当者らのスマートフォンなどに送信し迅速対応につなげる最先端の災害監視システムが今春から、富山県砺波市によって導入され、効果を発揮している。IoT(モノのインターネット)を活用した通信技術の中でも防災に最適とされる手法を使っている。除雪や高齢者対策、観光への活用も検討されている。 (中島健二、写真も)
 このシステムが設けられたのは、庄川から取水して市内を流れる農業用の若林口用水路。これまで水害が起きたJR城端線の砺波駅近く、上流にある調整池(用水が危険水位に達した際に水を強制的に取り入れてため込み下流の氾濫を防ぐため池)など計四カ所に、データ発信用の水位計を取り付けた。
 そのデータを、少ない電力消費で広範囲の通信を可能にする無線方式「LPWA」で発信。インターネット経由で職員のタブレット端末やスマホに水位や三時間、一日、一カ月、半年前の数値も送って表示する。
 若林口用水路はあふれて地下道が水没するなどの被害が起きており、以前から水位計が設置されてはいたが、光回線による送信のため市役所にあるパソコンでしか把握できなかった。
 となみ衛星通信テレビ(同県南砺市)の協力でシステムの運用を四月から始めて以来、豪雨で危険水位を超えたことが六回あった。いずれも担当職員らがスマホなどで水位の動きを常時見ながら調整池への流路切り替えなどをスムーズに進めることができた。
 「どこにいても水位上昇を確認できる。みんなでその情報を共有できることが一番の成果」と市土木課の高田英輝主幹。市農地林務課の吉田光英農村整備係長も「有事の際のアイテムとして全国に広がっていけば」と期待する。
 市は、積雪量や除雪車の位置を把握して除雪の効率化を図るほか、高齢者が発信装置を携行するなどして見守りに活用することも構想中。市総務課情報政策班の雄川孝治副班長は「これまで職員の勘や、口伝えに頼るところもあったが、今後はそれをデータ化して『見える化』を進めたい」と意欲的だ。
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 この記事は十四日夕に放送した富山テレビ放送「中島流!深掘りTOYAMA」との連動企画です。中島流の次回は二十一日のライブBBT午後六時台に放送します。(放送日は変更になることもあります)
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