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10月 南紀みかん (上)甘さの秘密

2020年10月11日 05時00分 (10月11日 10時20分更新)

白いマルチシートで土を覆って栽培したミカンを収穫する谷口さん=御浜町阿田和で

 きらめく日差しを浴び、皮が緑色から黄色に変わってきた。暑さの残る九月下旬、早生温州(わせうんしゅう)ミカンが収穫の時期を迎えた。御浜町阿田和(あたわ)の農業谷口剛さん(59)の三ヘクタールの農園では谷口さんが一つ一つ丁寧に収穫する。「今年は晴れの日が多く作業は暑くて大変。でも、その分、酸が抜けて例年以上に甘いミカンに育ったね」。わが子の成長に目を細める父のような顔で笑った。
 御浜町と隣接の熊野市、紀宝町は南紀地方と呼ばれ、めったに雪の降らない温暖な気候の恩恵を受けてミカン栽培が盛ん。約七百三十の生産者が、計三百九十ヘクタールほどの農園で作っている。九月から取れる極早生と早生を合わせて六千トン以上が、東海地方を中心に東京や大阪にも出荷される。
 何代も続くミカン農家も多い。二代目の谷口さんは、若いころはJAで働いて農家をサポートし、三十七歳で父から農園を受け継いだ。現在は農家をまとめる地域運営委員会の委員長を務める。
 みずみずしく、程よい甘みのある実がぎっしりと詰まっているのが、この地域のミカンの特徴。栽培のこつは「ミカンに与える水を最小限にとどめること」と谷口さんは言う。どういうことだ...

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