クラシック音育で立派なコマツ〜ナ「浜松の名産品に」

2020年10月11日 05時00分 (10月11日 05時02分更新)
音響栽培された小松菜を手にする宮本純さん(左)=浜松市西区のじゅんちゃんファームで

音響栽培された小松菜を手にする宮本純さん(左)=浜松市西区のじゅんちゃんファームで

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 浜松市西区で「じゅんちゃんファーム」を営む宮本純さん(45)が、音楽の街・浜松にちなみ、クラシック音楽を流して栽培した小松菜の販売を始めた。その名は「音楽育ちのコマツ〜ナ」。スピーカーやアンプ、演奏楽器は全て地元のヤマハ製にこだわった。「将来はウナギや三ケ日みかんに次ぐ名産品に」と力を込める。 (山手涼馬)
 宮本さんは脱サラ二年目の新米農家。浜松市内にある大手運送会社の拠点で十三年間勤めた後、年老いた父敏明さん(72)の水田を継ぐ形で就農した。安定した経営を目指して、気候の影響を受けにくいハウス栽培に目を付け、小松菜の生産を始めた。
 運送費などのコストを減らして利益率を高めるため、農協を通さないで地元の小売店に直接納入する販路を開拓しようと思案。自ら売り込んだが、店の担当者から「他にない、特徴的なものでないと並べられない」と断られた。
 どうしようかと悩み、植物に音楽を流して育てると良いと子どもの頃に聞いた話をふと思い出した。「世界的な楽器メーカーが集まる浜松で、音楽を聴かせて育てたら面白いのでは」。インターネットで文献を調べ、情報収集した。
 県農業振興基金協会の補助金を受け、音響機器を準備。四棟あるハウスの一棟にスピーカー二十台とアンプ一台を約六十万円かけて設置した。今年五月から一カ月ほど、試験的に音楽を流して栽培し、聴かせない小松菜と比較した。聴かせた方が二割ほど大きく育ち、鉄分やビタミンCが多く含まれる結果が出て、商品化を決めた。
 「高周波の音波を聴かせると葉の気孔が開き、土から吸い上げる養分が増えるとされている」として、流すのは四〇〇〇ヘルツ以上の高周波が多いというモーツァルトの楽曲。ヤマハの最高級グランドピアノを用いて演奏されるCDを使っている。
 農協に紹介してもらった静岡県立大の学生の協力を得て、会員制交流サイト(SNS)などでPR活動を繰り広げる。小松菜を使って簡単に作れるレシピを紹介する動画を配信したり、かわいらしいキャラクターを作ったりした。
 残るハウス三棟にも音響機器を設置する計画。宮本さんは「気候の変動などで安定した食料生産が難しくなる中、音響栽培で収穫が増す」と強調する。
 コマツ〜ナは小松菜の平均的な市場価格より二割ほど高く、浜松市内のスーパーやドラッグストアなどで購入できる。
 具体的な販売店はホームページ(「じゅんちゃんファーム」で検索)で。

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