<あいちの民話を訪ねて>(13)恩田の初連(刈谷市)

2020年10月11日 05時00分 (10月11日 05時00分更新) 会員限定
初連を祭る社を紹介する都築住職=刈谷市恩田町3の松雲院で

初連を祭る社を紹介する都築住職=刈谷市恩田町3の松雲院で

  • 初連を祭る社を紹介する都築住職=刈谷市恩田町3の松雲院で
  • 刈谷藩主だった三浦氏から寄進されたと伝わる本堂=刈谷市恩田町3の松雲院で
  • 1945年ごろの松雲院周辺を写した写真
 国道155号などの幹線道路が東西南北に走り、周辺の工場に出入りするトラックがひっきりなしに往来する刈谷市恩田町。町のすぐ南を通る高架を、新幹線が駆け抜けていく。現在の恩田には、キツネの初連(はつれん)が子どもを育てていたころの風情は、残っていない。
 ただ、曹洞宗の古寺、松雲院の境内に入ると、雰囲気はひっそりとする。シイやクスノキの大木、松や竹が、喧噪(けんそう)から寺を守っているかのようだ。
 「自分が小さいころまでは、辺りは松林がうっそうとして家は数軒しか無かった。昭和の初めくらいまではキツネもいたんじゃないかな」。十六代住職、都築義秀さん(75)は推測する。「暗くて細い道しか無かったから、道に迷うようなことがあると、昔の人は『キツネに化かされた』とよく言った」と振り返ると、長男の史岳(ふみたか)副住職(43)が「それくらい、人々の日常や心にとけ込んでいたキツネの神様だったんでしょうね」と言葉を継いだ。
 寺の本堂や本尊の文殊菩薩(ぼさつ)像は、初連に化かされたとされる三浦氏の寄進と伝わる。境内に巣穴はもう無いけれど、「稲荷堂」があり、そ...

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