山口さよさんの在宅41年(5)行政の支援 高島碧(東海本社報道部)

2020年10月11日 05時00分 (10月11日 05時00分更新) 会員限定
友人や介助する学生と鍋を囲むさよさん(右から2人目)のひととき。苦しいときは仲間が支えてくれる=三重県四日市市伊倉で

友人や介助する学生と鍋を囲むさよさん(右から2人目)のひととき。苦しいときは仲間が支えてくれる=三重県四日市市伊倉で

  • 友人や介助する学生と鍋を囲むさよさん(右から2人目)のひととき。苦しいときは仲間が支えてくれる=三重県四日市市伊倉で
 今から四十一年前、山口さよさん(74)=三重県四日市市=が母親の元を離れて独立した一九七九年当時は、重度障害者が一人暮らしをするのは、極めてまれなケースだった。生まれてまもなく脳性まひになり、二次障害の頸椎(けいつい)まひも患って手足や首を自由に動かすことができない。それでも、自力で仲間を募り、無償ボランティアの助けで一人暮らしを実現した。
 自分のことを知ってもらい、理解してもらうために粘り強く相手と話す。常に、対等に。一人暮らしに不可欠な生活保護費を得る折衝もそのスタイルを貫いた。時には、あえて体感してわかってもらい、共感を得る。当時、市の障害福祉課にいた市職員(62)は、三十年ほど前、さよさん宅を初めて訪問したときのことを昨日のことのように話した。

心を開いている人

 「さよさんから相談の電話があり、自宅に出向いた。かぎはかかってなくて、介助者はおらず、いきなり『起こすの手伝ってー』って言われて驚いた。『起きられへんの?』って応じたけど、なんて積極的なんだろうと思った。視覚障害者の方を訪問したこともあったけど、こんな体験は初めて。『すごい人やな』と思いました」
 まず上半身を起こして、...

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