<コロナとエンタメ> 瀕死の音楽芸術、再起問う 岐阜で催し
2020年10月10日 05時00分 (10月10日 05時00分更新)
「音楽芸術が死にかけている」−。新型コロナウイルスの影響で生演奏を聴く機会が著しく減り、音楽関係者からこんなセンセーショナルな言葉が飛び出した。9月には「音楽の通夜」をテーマにしたイベントも。コンサートの入場制限が緩和され、ネットでの演奏配信も進んではいるが、演奏家と観客が一体となる空間を完全に取り戻すめどは立っていない。音楽は今後、どうなるのか。音楽家たちの思いは。 (花井康子)
九月十九日夜、岐阜市のサラマンカホール。「音楽の通夜」をテーマにした「ぎふ未来音楽展2020 三輪眞弘(まさひろ)祭−清められた夜−」が無観客で開かれ、一夜限定で生配信された。
目玉となった現代音楽作曲家・三輪の新作「鶏たちのための五芒星(ごぼうせい)」は、防護服のような装束の演者が舞台上にしるされた五角形の線上を歩きながら、中心に座る男性に白い粉を掛け続ける。インドネシアのガムラン楽器が鳴り響く中、六羽のニワトリが歩き回り、宗教儀式のようだった。
一九九七年以降に流行した「鳥インフルエンザ」に着想を得たパフォーマンス。三輪は、消毒液をまかれ、地中に埋められた鳥の映像を思い返し、「コロナの時代と重なった」...
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