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池袋暴走、89歳被告が無罪主張「車に異常」母子死亡事故初公判

2020年10月9日 18時15分

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初公判に車いすで出廷した飯塚幸三被告(イラスト・中川浩太朗)

初公判に車いすで出廷した飯塚幸三被告(イラスト・中川浩太朗)

 東京・池袋で昨年4月、乗用車が暴走して通行人を次々とはね、松永真菜さん=当時(31)=と長女莉子ちゃん=同(3つ)=が死亡した事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われた旧通産省工業技術院の元院長飯塚幸三被告(89)は8日、東京地裁(下津健司裁判長)の初公判で起訴内容を否認、無罪を主張した。
 「心からおわび申し上げます」と謝罪した一方で「アクセルペダルを踏み続けたことはないと記憶している。車に何らかの異常が発生し、暴走した」と述べた。弁護側は、過失はないとした。
 検察側は冒頭陳述で、被告は前の車に近づき過ぎたため車線変更を繰り返し、ブレーキとアクセルを踏み間違えて時速約96キロまで加速、衝突したと指摘した。車は事故の約1カ月前の点検で異常は確認されなかったとし、事故当時「後続車の運転手はブレーキランプを一度も見ておらず、ブレーキが踏まれた記録も残っていない」と述べた。
 起訴状によると、昨年4月19日昼すぎ、東京都豊島区東池袋4丁目の横断歩道を自転車で渡っていた2人を乗用車ではねて死亡させ、助手席の妻を含む当時2歳~90歳の男女9人に重軽傷を負わせたとしている。
 真菜さんの夫拓也さん(34)は閉廷後に記者会見し「私たち遺族の無念や2人の死と向き合っているとは思えず、ただただ残念だ」と悔しさをにじませた。父上原義教さん(63)も「こういう人に娘と孫を奪われたと思うと悲しく、苦しい」と涙を流した。
 この日の公判に、拓也さんと上原さんは被害者参加制度を利用して検察官側に着席。今後、意見陳述も予定されている。
 飯塚被告は東大を卒業後、1953年に通産省に入省。89年に工業技術院長を辞職し、農機大手クボタの副社長などを務めた。被告も事故で負傷して入院し、今年2月に在宅起訴された。

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