車で出張 木地作り 越前漆器 酒井さん来春計画  

2020年10月7日 05時00分 (10月7日 09時39分更新)
ろくろを使って作業する酒井さん。移動式工房「ろくろ車」を計画する=鯖江市西袋町のろくろ舎で

ろくろを使って作業する酒井さん。移動式工房「ろくろ車」を計画する=鯖江市西袋町のろくろ舎で

  • ろくろを使って作業する酒井さん。移動式工房「ろくろ車」を計画する=鯖江市西袋町のろくろ舎で

 細かな要望応える

 越前漆器の木地工房「ろくろ舎」(鯖江市西袋町)の木地師、酒井義夫さん(40)が、木地作りに使う「ろくろ」とともに注文客の元に出向いて要望に応える移動式工房「ろくろ車(しゃ)」を作る計画を進めている。インターネットのクラウドファンディングで既に資金を集めた。今後、車を購入、改装して、来春にも活用を始めたい考えだ。 (鈴木啓太)
 酒井さんは北海道小樽市出身。東京の専門学校で家具デザインを学んだ後、福井県内の木工メーカーに勤務。転職を経て、漆器の木地師に師事し、器の形を削り出す木地師の道に入った。二〇一四(平成二十六)年春に独立し、工房を構えた。
 独自商品を手掛ける一方、一八年に始めたのがセミオーダー式の受注会「オンリー椀(わん)」。器の形や塗りの見本などを来場者に直接見てもらい注文を受ける。「漆器はこんなに良いものなのに、伝えるのを問屋さん、デパート任せにしていてはいけない」と、これまでに十五都道府県のギャラリーや洋服店など二十店舗以上を訪れた。
 さらに細かな要望に応えようと考えたのが「ろくろ車」だ。構想は以前からあったが、決意を固めるきっかけは新型コロナウイルス。さまざまな業種がオンライン販売に乗り出す中で、新型コロナの収束後を見据え「オフラインに戻った時、以前よりパワーアップしておく必要があると考えた」と説明する。
 ろくろ車は、木地を削るのに使うろくろを積み、窓から作業を見えるようにする計画。クラウドファンディングで五〜七月に資金を募ったところ、目標額の倍以上の約三百二十六万円が集まった。酒井さんは「仕事で一番好きなのは器をお客さんに納める時。渡すと、みんないい顔をしてくれる。『よし、もう一回頑張ろう』という気持ちになるんです」と思いを語った。

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