グレーチング 「溝のわな」 獣害に効果 

2020年10月7日 05時00分 (10月7日 09時41分更新)
シカやイノシシの侵入防止のため設置されたグレーチング=越前市中津原町で

シカやイノシシの侵入防止のため設置されたグレーチング=越前市中津原町で

  • シカやイノシシの侵入防止のため設置されたグレーチング=越前市中津原町で

 侵入路に設置 県、導入呼び掛け 


 
 獣害対策として、県は越前市と南越前町で、シカやイノシシの侵入経路に「グレーチング」(溝ぶた)を設置している。ひづめのある動物が溝に足を取られることを嫌がる習性に着目した。グレーチング手前で引き返す姿が複数回確認されたことから、県は「効果あり」と判断。農業者らに導入を呼び掛けていく。 (山本洋児)
 効果検証のため、県が設置したのは越前市中津原町と南越前町合波の二カ所で、ともに山際の農道。グレーチングは幅四メートル、奥行き一・五メートルの繊維強化プラスチック(FRP)製となっている。金属製もあったが、高価なため簡易製品にした。
 現場周辺は防護柵などで囲われているが、農道は対策が手薄だった。うち越前市には扉タイプの柵があったものの、車両が通行するたびに手動での開閉作業が必要となっていた。
 現場には定点カメラを設置。五月下旬の設置以降、グレーチングに近づいたシカが、山の方へ戻っていく姿が何度か確認された。県中山間農業・畜産課の担当者は「農作物への被害もなく、現時点では効果があるとみている」と話す。最終的には十一月ごろ効果判定を下す予定。
 グレーチングは、石川や富山などの自治体が採用している。大きさは自由に変えられるが、落ち葉や雪で溝が埋まると、効果は激減する。一カ所だけ設置しても周辺から侵入する可能性があるため、場所の検討も重要になる。
 福井県内では昨年、家畜伝染病「豚熱」(CSF)が流行。複数の養豚場で被害が確認された。県は今後、研修会などを通じて農業者や養豚業者らに設置を勧めていく方針。県によると、設置費はFRP製が一カ所百万円余り、金属製が同四百万円となっている。
 県によると、二〇一九年の有害鳥獣による農作物被害面積は百三十九ヘクタール、被害総額は八千六百二十三万五千円。うちイノシシとシカで被害額・面積ともに九割を占めている。

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