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武豊騎手は来年秋にもきっとパリにいる 過去にも“逆転劇”を起こしてきた飽くなきチャレンジ精神【本城雅人コラム】

2020年10月5日 10時17分

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武豊

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 エイダン・オブライエン厩舎が使用していた飼料から禁止薬物が検出されたことで、武豊騎手が騎乗予定だったジャパンをはじめ4頭が、凱旋門賞への出走が取り消しとなった。昨年の同レースで4着と好走したジャパンは、今季は調子が上がっていないが、現地では馬場の悪化がプラスに働くとオッズは上がっていた。武豊騎手は帰国後の2週間の自主隔離も決めてまで渡仏しただけに、今回は残念でならない。
 有力馬のラブは回避したが、それでも女王エネイブルはいるし、けっして楽な相手ではないが、私は今回、ディープインパクトで参戦した2006年に劣らないほど楽しみにしていた。というのもたくさんの期待に応えてきた武豊だが「今回はどうだろう」と疑心暗鬼になった時こそ結果を出し、ファンを反省(?)させるのもまた武豊であるからだ。
 思えば海外初G1制覇となった1994年のムーラン・ド・ロンシャン賞(スキーパラダイスで優勝)は、2番人気のホワイトマズルで2着に敗れたキングジョージ後で、メディアはノーマークだった。現地には日本人関係者もほとんどおらず、武豊騎手はエージェントのパトリック・バーブ氏と二人で祝杯をあげたと聞いた。98年、日本調教馬初の海外G1制覇となったシーキングザパールでのモーリス・ド・ギース賞も、注目は翌週に出走するタイキシャトルに向いていた。こうしたアップセットが起きるのも、武豊騎手がチャレンジを貫き通しているからだ。
 おそらく来年も、それこそムチを置く日まで武豊騎手は秋にはパリにいるのではないか。それくらい凱旋門賞制覇は、名手がまだかなえていない夢である。エイダン・オブライエン厩舎など欧州馬の時もあれば日本馬に騎乗することもあるだろう。今回の悲運などなかったようにサラッと成し遂げる、その日を思い浮かべながら、挑戦を応援していきたい。(作家)

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