「生きづらさ」三様の表現 ダンス・ウェル第一作上映 金沢 

2020年10月3日 05時00分 (10月3日 10時53分更新)
ダンス・ウェルの映像作品「TDN of TDP 3人の異なる人たちの、3つの異なる夜」の1シーン。踊っているのは中山治男さん

ダンス・ウェルの映像作品「TDN of TDP 3人の異なる人たちの、3つの異なる夜」の1シーン。踊っているのは中山治男さん

  • ダンス・ウェルの映像作品「TDN of TDP 3人の異なる人たちの、3つの異なる夜」の1シーン。踊っているのは中山治男さん

 体のこわばりや手足にしびれ、震えなどがでる難病のパーキンソン病とともに生きる人たちのダンスプログラム「ダンス・ウェル」の活動から生まれた映像作品「TDN of TDP 3人の異なる人たちの、3つの異なる夜」の上映会が先月十二日、金沢市の金沢アートグミで開かれた。
 ダンス・ウェルは、イタリア北部のバッサーノ・デル・グラッパ市にあるCSC現代演劇センターで始まった。病気の特徴に配慮しながらも、治療やリハビリではない身体表現、芸術活動と位置づけているのが特徴。金沢市のダンサー・振付家なかむらくるみさん(30)を中心に活動する石川実行委員会をつくり、今回初めて作品として発表された。
 出演したのは、画家としても活動する中山治男さん(73)=石川県小松市、元調理師の浜口一良さん(69)=金沢市=と、なかむらさんが英国留学時代から交流しているドイツ在住のプロダンサーのアレッサンドロ・マルゾットさん。
 なかむらさんが「眠れない夜をイメージし、私たちが抱える生きづらさや、苦しみ、痛みに思いをはせ」て振り付けた。新型コロナウイルスの感染拡大から、直接なかむらさんが会うことはせず、あえて言葉とネットでのポーズの写真をやりとりすることに徹して作品化したという。
 ドキュメンタリー映画「地蔵とリビドー」で撮影・編集を担当した野田亮さんの映像演出によって、三者三様の息づかいや意識しない動きまでが映像になった。金沢市を拠点にするユニット「Otnk(オトノキ)」の音楽も効果的で、コロナ禍の下で、見る人により切実に響く作品に仕上がった。
 上映後のトークで「映像、音楽の強さを感じた」と中山さん。浜口さんは「どんな作品になるのかと思ったが、出演してよかった」と振り返った。なかむらさんは「美しいとかかっこいい、魅力的というのはどういう基準で決めているのかを、自分にも問いかけたかった」と話し、作品や活動への手応えも口にした。
 ダンス・ウェルは月一回のペースで金沢市内で開催。次回は十七日午前九時から金沢市大和町の市民芸術村で。病気の有無にかかわらず誰でも参加できる。定員十人。予約、問い合わせは実行委=電080(5851)0100=へ。(松岡等)

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