熱い思い塗り重ねる 金沢 洋画家・高波壮太郎さん個展

2020年10月3日 05時00分 (10月3日 10時52分更新)
「絵を描くたびに新しい発見がある」と語る高波壮太郎さん=金沢市本町のアート玄羅で

「絵を描くたびに新しい発見がある」と語る高波壮太郎さん=金沢市本町のアート玄羅で

  • 「絵を描くたびに新しい発見がある」と語る高波壮太郎さん=金沢市本町のアート玄羅で

 圧倒的な厚みの絵の具をカンバスに塗り重ねる力強い独特の画風で活躍する洋画家高波壮太郎さん(71)=東京都=の個展「全身画家高波壮太郎展 渦巻く画魂」が金沢市本町のギャラリー「アート玄羅」で開かれている。バラや富士山など多くの洋画家が追究し、高波さんもそれに挑み続けるモチーフのほか、文学や音楽に触発された近作約二十点を展示する。
 多摩美術大で洋画家中本達也に師事した後、どの団体にも属さずに自身の絵を追究してきた。時に数センチに盛りあがる絵の具から生まれるのは、決して小手先では済まさないという内面からわき上がる絵画への熱情だ。「描くことが生きること」「絵には常に発見がある」と語る口調は若々しく、熱い。
 自らの画風を「自分は下手。下手だから何度も重ねて描いていくうちに絵の具が分厚くなっていった」と語る。やがて「色の力が強くなる」と、チューブからじかにカンバスに重ねるようになった。
 高波さんとしては珍しい自画像は、作家西村賢太さんの作品から知ったという石川県七尾市出身の作家藤沢清造が残した言葉「どうで死ぬ身の一踊り」をタイトルにした。日本海を思わせる荒波や海のうねりを強烈な筆致で描いた「私は海をだきしめて」は坂口安吾の短編小説から。
 段ボールの切れ端を素材に抱き合う男女を描いたコラージュ作品「Fall in Love」は「若い時から大好き」というルオーを思わせ、モノトーンの「雨音」はショパンの音楽に触発されて制作した。
 「重要なのは題材ではなく、画家としての生き方」と高波さん。来年十月に控えるニューヨークで初めての個展に向け、「自分の絵がどんな評価を受けるか楽しみ」と話す。
 会期は二十日まで。開廊時間は正午〜午後五時。水、木曜日休み。(松岡等)

関連キーワード

PR情報

北陸文化の最新ニュース

記事一覧