<EYES> 教育哲学者 苫野一徳さん 子どもの声聞こう

2020年10月1日 10時15分 (10月1日 10時21分更新)
 新型コロナウイルスの影響で、今、学校は、運動会や修学旅行など、その行事の多くを中止、あるいは大幅に見直すことを余儀なくされている。背景には、一斉休校期間に中断した授業の埋め合わせをする必要があるという事情もある。
 しかしこれらの決定に際して、当の子どもたちの声は、はたしてどれだけ聞かれただろうか。
 むろん、しっかりと耳を傾けた学校もないわけではない。少なくとも、多くの教師は、子どもたちの実りある学校生活のあり方について考え、悩み抜き、知恵を出し合った上で結論を出した。
 それでも、私の元には、「一方的に決めないでほしい」という子どもたちの声がしばしば届く。実際、学校だけでなく、教育委員会が一律に決定を下しているケースも少なくないのだ。
 しかし私たちは、こんな時こそ、withコロナ時代の学校のあり方を子どもたちと共に考え合う必要があるのではないか。そもそも学校は、この市民社会を共につくり合う「市民」を育む場所である。とすれば、学校もまた、子どもたちと教師が共につくり合うものでなければならない。少なくとも、子どもたちにはその経験が十分に保障されている必要がある。
 「これまで通り」に無理に戻ろうとするのでも、その縮小再生産を続けようとするのでもなく、私たちは今こそ、来るべき学校のニューノーマルに向けた対話を重ねるべきだ。どんな「新時代の学校」であれば、先生も子どもたちも、もっと楽しく、幸せな学校生活を送れるのか。もう一度、みんなでイチから考え合いたい。
 今からでも遅くはない。手始めに、中止になった行事の代わりにどんな楽しい意義深いことができるか、ぜひ、子どもたちとアイデアを出し合ってみたい。

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