リニア 井川漁協、金銭補償など求め近く本格交渉

2020年9月30日 05時00分 (9月30日 05時03分更新)
 リニア中央新幹線の南アルプストンネル(静岡市葵区)工事を巡り、大井川上流の漁業権を持つ井川漁業協同組合(同)は近く、工事による影響で漁業権に損害が生じた場合の金銭補償や、魚の養殖事業への支援を求め、JR東海と本格的な交渉に入ることを決めた。
 大井川流域には井川のほか、大井川(島田市)、新大井川(同)の二漁協があり、井川が先行して個別に補償交渉を始めることになる。井川漁協によると二〇一九年四月にJRに要望書を提出しており、今後は補償額を算定し提示するなど、具体的な交渉を進める。
 井川漁協は、アマゴやイワナ釣りができる入漁券や、養殖アマゴの販売を主な事業とし、年間三百万円ほどの収入を得ている。
 一九年の要望書では南ア工事の期間中と開業後に大井川の流量が減少し、アマゴやイワナの生態系に影響が生じた場合、JRが補償に応じることや養殖場の増設、漁業補償の過去の事例をJRが調査することを求めた。
 本紙の取材に、井川漁協の鈴木幸一組合長は「大井川の自然は守らないといけないという一心だ。しっかりと補償を求めていきたい」と述べた。JRの担当者は「(漁業権に)影響があると考えられる場合は協議する旨を組合に伝えている」とコメントした。
 JRは今年三月、大井川中下流域の水利用に影響が生じた場合、静岡工区に限っては請求期限や期間を設けず補償する方針を示したが、流量減少問題でJRと県側の主張は平行線をたどり、具体的な協議には至っていない。 (広田和也)

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