新型コロナで上昇基調一転、名古屋圏マイナスに 中部の基準地価

2020年9月29日 17時22分 (9月30日 00時34分更新)
 29日発表された都道府県地価(基準地価)で、全国と同じく中部地方でも新型コロナウイルスの感染拡大で、ここ数年続いていた上昇基調が一転した。リニア中央新幹線の開業への期待から上昇が続いていた名古屋圏(名古屋市近郊の愛知、三重両県の一部)は、住宅地が前年のプラス1・0%からマイナス0・7%に、商業地も前年のプラス3・8%からマイナス1・1%といずれもマイナスに転じた。
 愛知県は、住宅地で9年ぶり、商業地で8年ぶりに下落。名古屋、尾張、知多、西三河、東三河の全地域で住宅、商業地ともにマイナスとなった。商業地では中心地の名古屋市中区の「栄三」がマイナス8・9%で、前年のプラス19・7%から大幅に下落。上昇したのは住宅地は刈谷市、商業地は豊橋市と豊田市だけだった。
 岐阜県は全用途の平均はマイナス2・0%で、28年連続での下落。下落幅は前年のマイナス1・2%から拡大した。商業地では高山市の「奥飛騨温泉郷平湯」でマイナス9・3%と全国の商業地で最大の下落率となった。一方、JR多治見駅の徒歩圏は利便性の高さなどから住宅地、商業地ともに県内で最も上昇率が高く、堅調を維持した。
 三重県は、近年上昇が続いていた名古屋圏の県北部で上昇基調が鈍化。飲食店が集まる繁華街への影響が大きく、商業地は平均で前年比1・3%マイナスと、下落幅が前年から0・4ポイント広がった。一方、伊勢神宮内宮の調査地点では、コロナ禍で消えた訪日外国人(インバウンド)への依存度が低く、0・9%と前年比プラスを維持した。
 長野県は昨年10月の台風19号の被害も重なり、被災した長野市の「豊野中央遊園地西」はマイナス13・1%と全国でワースト2位の下落率となった。一方、商業地ではスキーリゾート地域で別荘などの需要を見込み、外国資本による旺盛な不動産投資が続いている。白馬村の「エコーランド ステーキハウスJUAN」は上昇率が全国で4番目に高い30・3%だった。
 福井県は23年春の北陸新幹線敦賀開業に向けて、JR福井駅、敦賀駅周辺の商業地の上昇傾向が続くが、上昇率は縮小や横ばいとなり、コロナ禍による影響で勢いをそがれた形となった。
 滋賀県は全用途の平均変動率がマイナス1・1%で、12年連続の下落。これまで上昇傾向が続いていたJR主要駅周辺の商業地もテナントへの不安などから上昇幅が縮小した。
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