舌はないけど 荒井里奈 (59) 意思決定の尊重 一緒に考えることから

2020年9月29日 05時00分 (10月6日 11時16分更新) 会員限定
講演を終えた押富俊恵さん(左)と=名古屋市中村区で

講演を終えた押富俊恵さん(左)と=名古屋市中村区で

  • 講演を終えた押富俊恵さん(左)と=名古屋市中村区で
 先週、愛知県尾張旭市で障害者福祉のNPO法人ピース・トレランスの代表をされている押富俊恵さん(39)の講演を拝聴しました。
 作業療法士でもある押富さんは、二十四歳の時に重症筋無力症という難病を発症。在宅療養を続けつつ、地域の人たちとさまざまな活動をされています。
 電動車いすに人工呼吸器。気管切開して、お話をするのは難しいはずなのに、押富さんは一時間半の講演と質疑応答を、疲れも見せずにこなしました。
 演題は「意思決定を支援すること」。押富さんは、うどんが大好きで昼食によく食べるのですが、家に来る複数の事業所のヘルパーさんが作ってくれるうどんは、なぜかいつもぬるい。不思議に思って聞いてみたら、人工呼吸器を使う押富さんは、熱いものを口でフーフーと冷ますことができないので、やけど防止のために配慮してくれて、それが申し送り事項になっていたそう。でも、「私は熱々のほうが好き。意向を聞いてほしかった」。
 そうした例を挙げながら「相手のためにと思ってする配慮が、当事者の思いとずれてしまうことがある」と指摘し「私が求めるのは質の高いケアではなく、自分のやりたいことを応援してくれるケア」と訴えました。
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