【石川】歩行者 耳が不自由かも 事故減へ金沢西署が動画

2020年9月29日 05時00分 (9月29日 09時39分更新)
聴覚障害者に向けた交通安全の啓発動画を撮影する署員ら。右端は、手話で意思を伝える聴覚障害者=金沢西署で(村松秀規撮影)

聴覚障害者に向けた交通安全の啓発動画を撮影する署員ら。右端は、手話で意思を伝える聴覚障害者=金沢西署で(村松秀規撮影)

  • 聴覚障害者に向けた交通安全の啓発動画を撮影する署員ら。右端は、手話で意思を伝える聴覚障害者=金沢西署で(村松秀規撮影)
  • 聴覚障害者マーク。このマークを付けた車にやむを得ない場合を除き、幅寄せや割り込みをすると道交法の規定により罰せられる 

「外見で分からず、想像して」


 金沢西署は聴覚障害者の交通事故を防ごうと、金沢市や市聴力障害者福祉協会と協力し、啓発動画を作った。動画投稿サイト「ユーチューブ」の「石川県警公式チャンネル」で近く公開する。耳の不自由な人たちも「聴覚障害は外見では分かりにくく、聞こえない人かもしれないと想像してもらえるとうれしい」と受け止め、理解の広まりを期待している。(村松秀規)
 動画は二本あり、各三〜五分間程度。一本は字幕や通訳を交え、反射材の活用やドライブレコーダーの設置を促す。もう一本では、聴覚障害者の男性が車の接近を音で気付けず危険な思いをすることが多いと訴えたり、耳が聞こえないドライバーが車に掲示する聴覚障害者マークを紹介したりしている。

 金沢西署の遠藤英之副署長は「聴覚障害者の事故件数は少ないが、安全かというと、体感はまた違う。不安を感じるという声があり、しっかり目を向けて対策する。障害者の社会参加は進んでおり、子どもや高齢者への対策にも通じる」と強調する。手話の普及を促す「県手話言語条例」が二年前に施行したことや東京パラリンピックを控える現状も踏まえた。
 石川県内で、警察による障害者向けのこうした取り組みはあまりされていない。県聴覚障害者センター施設長の藤平淳一さん(47)は「目で得られる情報はとても大事で、理解ある動画が作られたことは非常にうれしい」と歓迎する。手話通訳を介して「警察の中でも聴覚障害者への理解が広まってきたと実感する。(私たちも)偏見がなくなるよう正しい理解を広めたい」と力を込めている。
 動画の閲覧はユーチューブから「石川県警公式チャンネル」で検索。

【メモ】聴覚障害者の交通事故=警察庁などによると、全国で昨年の交通事故は38万1237件が発生し、このうち聴覚障害者が事故に遭ったのは34件。2018年は43万601件のうち35件、17年は47万2165件のうち41件。石川県内の聴覚障害者の事故は、昨年はゼロ。18年は2件、17年は1件だった。


関連キーワード

PR情報