学会選奨土木遺産 笹生川ダム認定 当時の最新技術で設計 

2020年9月29日 05時00分 (9月29日 09時47分更新)
土木学会の選奨土木遺産に認定された笹生川ダム=大野市本戸で(県提供)

土木学会の選奨土木遺産に認定された笹生川ダム=大野市本戸で(県提供)

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 大野市本戸(もとど)の真名川上流にある「笹生(さそう)川ダム」が、土木学会の選奨土木遺産に認定された。県が管理する八つのダムでは最も古い一九五七(昭和三十二)年の完成で、日本初の手法で構造設計し最小化させた誕生時の苦労が評価された。
 選奨土木遺産は、完成後五十年を経過した土木関連施設を対象に、歴史的な価値を顕彰する制度。二〇〇〇(平成十二)年度に創設され、県内では三国港エッセル堤(坂井市)、旧北陸本線トンネル群(南越前町−敦賀市)などに次ぐ六件目の認定となった。
 笹生川ダムは、当時最新の技術だった「三次元的応力解析法」を用いて設計された。ダム堤が水の重さで受ける力を正面からだけでなく、横方向への広がりも含めて立体的に計算。県河川課は「当時はコンクリートが高価で、施工量を減らすための検討だった」と説明する。計算の結果、ダムの高さは七十六メートルで一般的な設計時と同じだが、本体の厚さを抑制。コンクリート量を一割程度減らせた。洪水調節、発電、水道供給などの機能を果たしながら、建設後六十二年が経過した今も現役で稼働している。
 県河川課の田中和利参事は「笹生川ダムに興味を持ってもらい、防災意識が広がったり、地域活性化につながったりしていけば」と喜んでいた。 (尾嶋隆宏)

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