区再編は「必要」 浜松市議会投票

2020年9月29日 05時00分 (9月29日 05時03分更新)
行政区再編について「必要」か「不要」か投票する議員たち=28日午後、浜松市議会で(川戸賢一撮影)

行政区再編について「必要」か「不要」か投票する議員たち=28日午後、浜松市議会で(川戸賢一撮影)

  • 行政区再編について「必要」か「不要」か投票する議員たち=28日午後、浜松市議会で(川戸賢一撮影)
 浜松市議会は二十八日、行政区再編は「必要」と結論付けた。全員協議会による投票で「必要」が三十八票、「不要」が四票で、市議会として「必要」と結論付ける要件として定めた出席議員数の「三分の二以上」を超えた。市議会は十月以降に開く特別委員会で、再編後の区の数や線引きなどの具体的な議論に入る。 (佐藤裕介、坂本圭佑、渡辺真由子)
 投票は本会議場で実施された。出席議員は、投票用紙の「必要」か「不要」に丸印を付けて無記名で投票した。
 本紙の取材では、市議会最大会派・自民党浜松の四人が「不要」と投票した。四人と共産党浜松市議団(四人)を除く全議員は「必要」とした。共産は「起立または記名投票で行うべきだ」(北島定団長)として議場から退席した。
 「必要」と投票した関イチロー議員(創造浜松)は「今後財政状況は逼迫(ひっぱく)する恐れがあり行政の効率化は必須」、岩田邦泰議員(市民クラブ)は「市が将来にわたって持続可能でいるためには必要」と話した。「不要」としたとみられる自民市議は「会派として取材に応じないことが決まった」と答えなかった。
 市議会事務局によると、全員協議会での投票採決は初めて。投票は二十五日の議会運営委員会で決定し、無記名投票は自民が提案し賛成多数で決まった。
 特別委の高林修委員長(自民)は投票後、今後の特別委でまず議論する項目について「行政の組織の見直しがまずある。並行して区の数や再編の形も議論するべきだ」と指摘。来年四月の任期まで月二回程度、特別委を開く考えを示した。
 二〇一一年の市長選から区再編を公約に掲げる鈴木康友市長は二十八日の会見で「感無量で重く結果を受け止める」と指摘。二一年一月一日までに区再編を実施する目標を「あくまで市側が作ったスケジュール」として維持するとした。
 本紙は二十八日、市議会の全会派の所属議員を対象に、全員協議会の投票内容を問うアンケートを実施。自民以外の各会派の議員から回答があった。自民の議員は「(市議会の議会運営委員会で)無記名とした経緯を踏まえた」として無回答だった。

◆自民賛否割れ 先行き不透明

 浜松市議会が区再編を「必要」とする初めての判断を下した。一方、昨年四月の住民投票で区再編の必要性には一定の理解が示されながら、現行の七区を三区にする案に反対が多かったこともあり、具体的な区再編の内容は未定のまま。再編の具体案を巡る特別委での議論は十月以降に加速すると予想されるが、鍵を握る市議会最大会派・自民党浜松は派内で意見が割れている。今後「必要派」が「不要派」に転じる可能性もあり、先行きは見通せない。
 市議は現在、各区ごとの選挙区から選出されている。区再編が実施されれば、無投票区が解消される可能性もあり、定数削減も想定されている。こうした見方は、中山間地域などから選出された一部市議の慎重意見の背景となっているとみられる。
 自民は二十三日の特別委でも「必要」とした所属議員が三人、「不要」や「反対」とした所属議員が三人と会派内で意見が割れた。今回の採決で「必要」と投票した市議が「最終結論を決めずに『とりあえず今後の議論を進めていくことには賛成ということで必要に投票した』という議員もいるだろう」と指摘するように、強引に議論を進めようとすれば「『必要派』が『不要派』に変わる可能性もある」ともされる。
 採決を受け、特別委では十月以降、再編後の区の数や線引きなどに入る。だが、これまでの取材で「なぜ今、区再編なのか、わかりづらい」という住民の声も聞かれた。特別委の高林修委員長は採決後、これまでの特別委での議論の経緯を住民に説明する会の開催を検討する考えを示した。市議会には、丁寧な議論と説明を尽くすことが求められる。 (佐藤裕介)

 <全員協議会> 地方議会の全議員で構成し、提出案件の予備審査や公開を不都合とする事項などについて協議する。議長が運営。本会議とは異なり、地方自治法で定められておらず、議案などの審議や議決はできない。取り決めた内容に法的拘束力はない。

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