新素材リチウムイオン電池販売に本腰 浜松のTRC高田

2020年9月29日 05時00分 (9月29日 05時01分更新)
TRC高田が取り扱う新素材のリチウムイオン電池パック(手前)。受注に応じてユニット(右下)化して販売する=浜松市西区で

TRC高田が取り扱う新素材のリチウムイオン電池パック(手前)。受注に応じてユニット(右下)化して販売する=浜松市西区で

  • TRC高田が取り扱う新素材のリチウムイオン電池パック(手前)。受注に応じてユニット(右下)化して販売する=浜松市西区で
  • 電池事業の拠点となる新工場=浜松市西区で
 自動車部品製造のTRC高田(浜松市西区)が新工場を開設し、新素材を使ったリチウムイオン電池の販売事業を本格化させる。衝撃に強く寿命が長いのが特長で、フォークリフト向けを手始めに各種機器の電源として受注生産する。蓄電器の自社開発も進め、経営の多角化を狙う。 (久下悠一郎)
 TRCによると、販売するのは燃えにくい酸化鉄を一部に使用した「リチウム鉄リン系複合酸化物」を素材とする薄型の電池で、台湾のメーカーが開発。くぎなどが刺さっても異常が起きにくく、頑丈さが求められる軍需品や電動車に用いられる。充電して繰り返し使える回数も三千回以上と一般的なリチウムイオン電池の一・五倍に上り、自己放電率も低い。
 新工場は二階建てで延べ約三百平方メートル。本社近くの西区伊左地町にある別の企業の施設跡を活用し、十月二日から操業を開始する。メーカーからCDケースほどの大きさの電池パックを仕入れ、注文に応じてパックを重ねた電池ユニットを製造。フォークリフトのほか、無人搬送車(AGV)や携帯式充電器向けの受注を想定する。
 一九五七年創業のTRCは板金が祖業で、現在は四輪車や二輪車の車体や排気系の部品を主に手掛ける。高田順也常務は「金属加工や量産のノウハウを、限られたスペースに組み込む電池ユニットの生産に生かせる」と力を込める。
 企業間取引(B2B)以外の領域を開拓するため、電池パックを使った防災用の蓄電器の試作も進めており、既に産業展示会などで披露。近年の地震や豪雨被害の多発を踏まえ、複数の企業や自治体から関心が寄せられているという。さらに防災関係の展示会で反応を見極め、安全性の高い蓄電器を来春にも発売することを目指す。

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