浜松市区再編 市民生活どう影響

2020年9月29日 05時00分 (9月29日 05時03分更新)
 浜松市議会は二十八日、行政区再編について、全員協議会の採決で「必要」と結論づけた。今後、具体的な内容を議論していくことになるが、区再編は市民生活にどのような影響を与えるのか。これまで区再編について議論してきた市議会特別委で出された意見から考える。 (渡辺真由子)
 議論では、区再編が実現した場合、区役所の数を減らす可能性も指摘された。市は昨年十二月、天竜区とその他の六区を合区する「二区案」を提示。六区のうち、中区を除く五つの区役所を「行政センター(仮称)」とし、引き続き窓口業務を提供するとした。証明書発行のほか、市民活動の支援拠点でもある「協働センター」の職員を増員し、自治会活動など地域づくりの支援を強化するとした。
 区役所は、住民票や転入出届といった証明書発行など五百四十六業務を取り扱う。区再編に前向きな市議は「区役所のコストを削減できる」「窓口業務は行政センターで維持し、削減した職員は協働センターに職員を再配置できる」と説明。一方、慎重な市議は「区役所までの距離が遠くなる」「区ごとに進めてきた地域固有事業の縮小が懸念される」と指摘した。
 このほか、区再編に慎重な市議は、災害時に区役所に設置する災害の対応拠点が減るなどと指摘。一方、前向きな市議は「冠水など、区をまたぐ地域の共通課題を効率的に解決できる」とメリットを挙げている。

◆主要5会派に聞く

 浜松市の行政区再編を巡り、市議会の主要5会派に、議会として再編を「必要」と結論づけた受け止めを聞いた。 (坂本圭佑、渡辺真由子)
 最大会派の自民党浜松の戸田誠幹事長は「次の議論の行程に入る節目と認識している。これまではメリット・デメリットが見えにくかったが、市民サービスをどう向上させるか、前向きな議論もしていく」と強調した。
 かねて再編の必要性を訴えてきた公明党の松下正行代表は「10年以上議論をしてきて、やっと一歩を踏み出した」と安堵(あんど)の表情を浮かべつつ「ここからが本当の議論の場。今後は市当局も参加し、具体的な案も出てくる。遅くとも年度内を目安に、できるだけ早く決めていきたい」と話した。
 区再編を公約に掲げる鈴木康友市長の考えに近い会派も再編の必要性を訴える。市民クラブの斉藤晴明会長は「これまで長い議論だったが、やっと一歩進んだ。基本的に区はシンプルな方が良い。これからの具体的な議論が大変だが、スピード感をもってやっていく」と話した。
 創造浜松の関イチロー会長も「『今のままではいけない』と、38人の議員が必要と判断した。市民サービスを低下させないことが前提。市民に理解を深めてもらうため、意見を聞く場を市当局とともにつくる必要がある」と指摘した。
 採決に参加しなかった共産党浜松市議団の北島定団長は「特別委での結論がすべて。法的根拠のない全員協議会での決定は間違っている」と批判。これまで現行7区の維持を求めてきたが、今後については「再編をやると決まった以上、丁寧に議論したい。特別委では、時間をかけて市民の意向を確認していく必要がある」と述べた。

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