調子いまひとつの錦織圭が見せた”スゴ技”時短戦術 フルセットでも体力浪費を回避【辻野隆三コラム】

2020年9月28日 19時34分

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錦織圭(AP)

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 約1年ぶりの四大大会で、気温10度、雨交じりの強風のコンディション。しかも、明らかにいまひとつの調子だったのに勝ちきってしまった錦織にすごさを感じた。
 第1セットは、技術的なことを気にし過ぎていた。フォアでぐいぐい押していくのが、やはり錦織の強さなのだが、最近取り組んでいるネットプレーなど、今までのテニスの“プラスα”ばかり考えていた。自信もなかったのだろう。
 第2セット第3ゲーム、エバンスのサーブ、0―30のポイントで、この日初めて錦織がフォアでぐいぐい押すテニスを展開した。0―40となり、エバンスはダブルフォールトしてゲームを落とした。錦織のフォアの強さに驚いてサーブのコースを意識し過ぎてミスしたのがよく分かった。流れはここで変わった。試合はフルセットまでもつれたが、落としたセットはいずれも1―6のスコア。不要に体力を削る展開にはしていなかった。
 錦織が、けがから復帰してネットプレーに積極的に取り組んでいるのは、四大大会の特徴である2週間を戦い抜くために、1試合にかける時間を短くするためだ。ネットに出るのもラリーで相手を追い込んでからという理想を追ってはいない。サーブ&ボレーも含めてリスクを負ってでも早く決着することを狙っている。今日もそれを試していたのだろう。
 次戦のトラバリアはクレーが得意な歯切れのいい選手。彼は全仏の前哨戦だったイタリア国際でチョリッチに勝つなど結果を出しており相手としては厳しいが、錦織は2日休めるのが大きく、十分戦えるはずだ。(元デビスカップ日本代表)

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