新聞社のカメラマン 中日新聞写真部 今泉慶太さん(「新聞社の事業担当」関連)

2020年10月3日 00時00分 (10月6日 12時24分更新)

選手にレンズを向けてシャッターチャンスを待つ今泉慶太さん=いずれも名古屋市中川区のナゴヤ球場で

 新聞紙面を彩る写真。新聞社にはたくさんのカメラマンがいて、日々さまざまな現場で報道写真を撮っています。そのなかでスポーツ紙や運動面に載るアスリートたちの写真を撮るのが、スポーツ担当。中日新聞編集局写真部で中日ドラゴンズを受け持つ今泉慶太さん(36)を中学生記者が取材しました。

今泉さんが撮った、京田選手と根尾選手の握手の写真


大事な一瞬 狙い構える

 今泉さんの取材に、ナゴヤ球場に到着した中学生記者たち。しかし約束の時間になっても今泉さんは現れず、電話にも出ません。ちょうどその時、球場内では注目の新人・根尾昂選手が遊撃の定位置を争う京田陽太選手と初めて対面していました。今泉さんは二人の握手の瞬間を狙い、カメラを構えていたのです。
 前日、根尾選手は東京で研修。京田選手は年明け初めての自主トレをナゴヤ球場で行いました。ならばこの日に二人が会う可能性が高い。そう踏んで新人の練習開始の約一時間前に来て目を配っていました。「細かい指示はなく、何を撮るかは自分の判断。それまでの流れを考えて動くことが欠かせません」。大事な瞬間をカメラに収め、興奮気味に説明してくれました。

今泉さんのアドバイスを受けながらスポーツ写真の撮影に挑戦する中学生記者たち

 記者たちもスタンドから根尾選手らにカメラを向けます。動きのある投球写真、一瞬の表情を切り取った写真、笑顔で他の選手と話す写真、あえて別の選手の写真と狙いが分かれました。さらに400ミリの巨大な望遠レンズ付きのカメラをのぞき、秒間12こまの高速連写も体験。最新の高性能機器に驚きの連続です。

写真の力信じシャッター


 今泉さんの実家は写真館。物心ついた時からそばにはカメラがありました。中学生の時に名古屋市内の現パロマ瑞穂スタジアムのスタンドからJリーグの試合を撮ったことがスポーツ写真の原点。写真館を継ぐという話はなくとも、自然と写真の道に進みました。
 東日本大震災のあった2011年の大みそか、年越しの瞬間に上がる花火を岩手県陸前高田市で仮設住宅越しに狙いました。入念に打ち上げ場所を調べていたはずが、花火は別の方角からドーン。写真説明がなければ震災との関連がわからない普通の花火の写真になってしまいました。「『あれが撮れていれば』とずっと考えてしまう。なかなか切り替えられません」。目の前の出来事を切り取る報道写真で、失敗は取り返せません。それでも「百行の記事より一枚の写真の方が伝わるものがある」と今泉さん。写真の力を信じ、日々撮り続けています。(構成・宮崎厚志) 

今泉さんが使用するキヤノン社製のカメラ「EOS-1D X Mark2」

   ◇
<今泉さんから>
 報道をめざす人には、やじうま精神を養ってもらいたいですね。人だかりがあったらのぞいてみるとか。写真は、面白いと思ったら迷わずシャッターを切ってください。後から撮ろうと思っても、もうその瞬間はないので。
<これまでの歩み>
2006年 日本大芸術学部写真学科を卒業。中日新聞社に入社
  11年 東京本社、松本支局を経て、名古屋本社勤務に
  13年 中日ドラゴンズ担当に
  16年 リオデジャネイロ五輪を取材
  18年 2度目のドラゴンズ担当に
<2019年2月3日紙面掲載>

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